夫唱婦随から婦唱夫随が認知症リスクを増加させる?

2013-03-06

私の認知症の外来では、いくつかの質問をさせていただいています。
その一つに『お金の管理はできていますか?』という質問があります。簡単にできていると答えられますが、詳しく聞くと“できていない方”が結構見えます。つまり、お金はどうやって引き出していますか?ATMが使えていますか?窓口でも下ろすことができなく家族が代行していませんか?通帳の管理ができていますか?失くして再発行をしたことはありませんか?時に、失くした通帳を盗られたということはありませんか?

さらに『買い物ができていますか?』 ここでも簡単に“できている”と答えられる家族が多いものです。しかし、同じものを何度も購入することはありませんか?小銭を組み合わせて使えないため、財布の中が小銭だらけになっている方も見えます。つまり以上のようなことがすべてクリアできて初めて“お金の管理ができている”と言えるのです

しかし、それ以前に『全くお金の管理をしたことがない方』が結構見えます。お金の管理はすべて配偶者。生活費がどれだけ必要で、貯金がいくらあるかも全く知らないのです。夫婦のどちらかが主導権を握ることはやむを得ないと思いますが、全く知らないということは“思考停止”です。社会人であれば、最低限のことは知っておくべきではないでしょうか?


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私は、お金の管理を全くしないことは、認知症の危険因子の一つだと思います。やはり何事にも思考停止することなく関心と興味を持って取り組むことが認知症予防につながるのです。

先日の、日経新聞の記事で“団塊世代では、家庭におけるほとんどの商品も妻が購入決定権を握る。”という記事がありました。「団塊世代は恋愛結婚が多く、上の世代ほどには夫の家に嫁いだという意識がない」と理由が説明されていました。夫の顔を立てることに心を砕き、夫唱婦随で円満な家庭を築いてきたこれまでのシニアの女性たち。団塊の世代ではなぜか「婦唱夫随」に逆転したようです。
ますます、家計における金銭管理に関わらない認知症患者さんが増えるのでは?と心配になりました。

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