「北の国か」らは大好きなドラマでした。特に、主演の田中邦衛さんは、私が開業する岐阜県土岐市出身で一時教師をしており、患者さんの中には生徒さんだった人もいらっしゃいます。今回、田中さんの死去にともない、ドラマの中の黒板五郎さんの素敵な言葉をピックアップした本が、『「北の国から」黒板五郎の言葉』です。ドラマを見ていた方にはお薦めです。私は思わずDVDの全巻も購入してしまいました。
- 明るくなったら目覚め、夜になったら眠る。一見、当たり前のこと
- 80年代は、現在へとつながるさまざまな問題が噴出し始めた時代でもあった。世界一の長寿国となったことで到来した「高齢化社会」。地方から人が流出する現象が止まらない「過疎化社会」。何でもカネに換算しようとする「経済優先社会」。ウォークマンの流行に象徴される「個人社会」……。 『北の国から』は「その生き方でいいのか」と別の価値観を提示していた。
- 『北の国から』は時代を背景に、視聴者が無意識の中で感じていた「家族」の危機と再生への願いを、苦みも伴う物語として具現化していた
- 田中邦衛が選ばれたのはなぜか。「邦さんが一番情けなかった」
- 「ここの生活に金はいりません。欲しいもんがあったら── もしもどうしても欲しいもンがあったら──自分で工夫してつくっていくンです」 純「(ふん然) だ、だけどそんなこといったって!」 五郎 「つくるのがどうしても面倒くさかったら、それはたいして欲しくないってこと」
- 同情ってやつは男には──つらいんだ
- 人がどういおうと、しり馬にのって他人の悪口をいうもンじゃありません。 自分がちゃんといっちょ前になって。──人の批評はそれからにしろ
- 忘れたふりを装いながらも、靴をぬぐ場所があけてあるふるさと
- 「人はそれぞれ悲しいときに──、悲しさを表す表し方がちがう」 純「───」 五郎 「人前で平気で泣けるものもいれば──、涙を見せたくない、そういうものも
- 人を許せないなンて傲慢だよな」 こごみ「───」 。 五郎「おれらにそんな──権利なンてない
- 父さんは──とっくに許してた」 蛍「───」 五郎「ぎゃくに父さんが──」 蛍「───」 五郎「許してほしかった」
- 「金があったら金で解決する」 純「───」 五郎「金がなかったら──智恵だけが頼り」
- 汚れは石鹼で落ちる。けど石鹼で落ちない汚れってもンもある」 純「───」 五郎「人間少し長くやってりゃ、そういう汚れはどうしたってついてくる」
- 悪口ってやつはな、いわれてるほうがずっと楽なもンだ。
- 金にしようという気がなければ喰える
- 金なんか望むな。倖せだけを見ろ。ここには何もないが自然だけはある。自然はお前らを死なない程度には充分毎年喰わしてくれる。
- 謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ