本書では、糖質過多による「糖質疲労」から脱却し、脂質を味方につける食生活=“脂質起動”を提案。脂質は、エネルギー源として優れ、太りにくく、疲れにくい体質をつくるカギだと説きます。さらに、「オイルファースト」「カーボラスト」といった食べ方の工夫や、糖質の弊害、脂質の驚くべき健康効果までを科学的根拠と共にわかりやすく解説。「食べて痩せる」「食べて健康になる」ための実践的指南書です。
- 結論を言ってしまえば、 「脂質を摂ると、疲れにくくなる」 「脂質を摂ると、太りにくくなる」 「脂質を摂ると、病気を遠ざける」 ──そう、脂質を摂ることには、メリットしかありません。
- 脂質をたっぷり摂ることが、糖質疲労しない食べ方の唯一無二の必勝法。
- 人のからだは、脂質を食べれば、おもに脂質をエネルギー源として燃やすようになり、糖質を食べれば、おもに糖質をエネルギー源として燃やすようになります。
- 脂質をしっかり摂ることで、からだは「疲れにくく」「太りにくく」、さらに「病気になりにくく」なります。
- 脂質には「食べすぎる」ということがありません。 これは、脂質を食べたときに分泌されるホルモンに、食欲を抑えるはたらきがあるためです。
- 糖質の摂取では、満腹感をもたらすホルモンが出ず、飢餓感をもたらすホルモンが出て、容易に「食べすぎる」ことが可能になるわけです。
- 脂質を先にしっかり摂っておくことでGIPを介してインスリンが適切なタイミングで速やかに分泌されます。その後から糖質を摂っても血糖値上昇を最小限に留めることができます。
- 野菜より、「脂質とたんぱく質」こそ先に食べよう
- 食物繊維が消化吸収されないで大腸まで届くと、腸内細菌によって代謝(発酵)されます。その結果生じるのが、短鎖脂肪酸です。短鎖脂肪酸がL細胞を刺激することで、GLP−1の分泌が促されるのです。
- 糖質を控えて、その代わりに、脂質とたんぱく質を増やす。さらに、食物繊維も摂ることを習慣づける。それが、脂質起動させるための食べ方「ロカボ」です。
- 脂質は長い間、科学的な根拠がないまま「太る原因」として避けられてきました。 しかし、最新科学では、「脂質は肥満の直接原因ではない」ことがわかっています
- 脂質を食べれば脂質を燃やすようになり、糖質を食べれば糖質を燃やすようになるのです。
- 糖質をたくさん食べると、からだに脂肪がたまりやすく、脂肪が燃えにくくなるのです。
- 糖質を控えて脂質をしっかり摂る食生活を続けると、エネルギー消費量が底上げされて、太りにくい体質に変えていくことができる
- 脂質を減らすと〝細マッチョ〟ではなく〝ぶよマッチョ〟になる
- 肌によさそうだからと毎朝のように果物を食べたり、砂糖(≒ 果糖)や果汁入りのコラーゲン美容液などを飲んだりしていると、AGEsがシミ、クスミ、シワなどの引き金となり、肌老化に拍車がかかる恐れがあります。
- コレステロールは、食事から摂取する以上に肝臓で作られています。驚くことに、体内のコレステロールの 70〜 80%は体内で合成され、食事から摂るのは 20〜 30%程度
- アメリカの食事摂取基準でも日本の食事摂取基準でも、食べるほうのコレステロールの上限値は撤廃されています
- 運動は、コレステロールがエネルギー源にはなり得ないため、コレステロール値を下げる効果は全くありません。
- しかし、運動は血中コレステロール値を下げる目的であるところの心臓病や脳卒中の予防には重要です。ですから、(血中コレステロールは全く下がりませんが)運動はすべきです。
- 敵視していた脂質は、実は健康の要。
- 脂質をたっぷり摂る食事は、おおまかに以下の4つの健康をかなえます。 ○脳の健康 ○がんになりにくくする ○生活習慣病を遠ざける ○運動パフォーマンスを上げる
- 「糖質疲労」で判断力は落ち、「脂質起動」で学力が上がる
- 朝食には、卵や納豆といったたんぱく質にオリーブオイルやマヨネーズやごま油といった油もぜひ付け加えていただきたいと思います。 また、 牛乳でもヨーグルトでも、選ぶ際には、低脂肪や無脂肪ではなくて脂質たっぷりのものにする
- 血糖値スパイクで「脳細胞」が次々と死んでいく
- 「脳の唯一の栄養は糖」はウソ、「超脂質食」こそ脳にやさしい
- 糖質控えめ&脂質たっぷりで、脂質異常症が改善することが、数々のエビデンスから明らかになっています。
- 米国心臓病学会は2011年、「高中性脂肪血症に対しては、食べる脂質を増やし、糖質を減らすことがよい」という公式声明を出しています
- 大雑把に言えば、安静時は脂質が9割、糖質が1割と考えていいでしょう[・ウォーキングやジョギングのように長く続けられる運動時には脂質6割、糖質4割といった割合でエネルギーになっています。
- 脂質をたっぷり食べている人は、それだけで脂質を中心にエネルギー源にするのです
- 「脂質」をエネルギー源にすれば「持久力」がケタちがい
- 日本人はとくに「お肉を控える」ほうがリスク
- 劣化しにくい優等生「オリーブオイル」は〝汁だく〟
- 食べる前の「手のひらナッツ」が肥満も疲れも防いでくれる
- お米を食べるまで「 20 分間」ゆっくり楽しい時間稼ぎを


認知症専門医として毎月1,000人の患者さんを外来診療する長谷川嘉哉。長年の経験と知識、最新の研究結果を元にした「認知症予防」のレポートPDFを無料で差し上げています。