2021年11月9日に99歳でお亡くなりになられた瀬戸内寂聴さんと秘書の瀬尾まなほさんの対談が本になっています。寂聴さんの本はあまりに多くどれを読もうか迷ってしまいます。とりあえず最初に読むにはとてもお薦めの一冊です。「私が出家したのは、自由奔放に生きていくことを止めるため」の一言には、「自分も出家?」とドキッとしてしまいました。
- 見返りを求めないのが本当の愛情です。 「渇愛」ではなく、「慈悲」の心
- 見返りやお返しを求めてしまうような愛情を、仏教では「渇愛」と呼び、それはいけないことだと強く戒めています
- 見返りやお返しを求めないような愛情を何と呼ぶのでしょう? それが、「慈悲」です。弘法大師空海さんは、「仏心は慈と悲なり」とおっしゃっています。仏教の極意は、慈悲に尽きるということです。「慈」とは人に楽を与えることで、「悲」とは人の苦しみを抜き去ること
- 人は一人で生まれて、一人で死んでいきます 。孤独であることは人間の宿命
- いつも笑顔を絶やさずにいること。 「和顔施」は、まわりの人を幸せにする
- 「己を忘れ他を利するは慈悲の極みなり」という言葉から「忘己利他」
- そもそも、自分のことを自分が本当にわかっているかというと、私は疑問です。ですから、自分らしさにとらわれることで、逆に自分がわからなくなってしまうということもあると思います
- 私は、「七十歳を過ぎても恋愛をしなさい」と、よく人に言うのです。 それは「人の目を気にするな。他人が何を言おうが、そんなことをいちいち気にするな」ということです
- 道徳なんて所詮は人が作ったものですから、気にすることはありません。国の為政者が変われば、道徳も変わります。そのときの権力者が自分たちに都合のいいように作ったのが道徳
- 居場所がないと思ったら、 本を読むのも一つの方法
- 「当たり前」のことなど、この世に一つもない。 すべては「有り難い」こと
- 本当に好きなことは、無理に見つけようとしなくても自然に湧き出てくるもの
- 都合の悪いことは、すぐ忘れます。それが長生きするコツ
- 「寂」は煩悩が収まった静かな心の状態、 「聴」は森羅万象のあらゆる音を聴く
- 観音様は正式なお名前を「 観世音菩薩」といいます。これは世の中の悩める人々が発する音声を観ずる、世の中の人々の救いを求める声を聴いて救済する菩薩という意味です。やはり、音を観ずる、音を聴くということは、仏教や仏様の基本
- お肉を食べているとボケません。「肉ばかり食べていると病気になる」とか、「野菜を食べなくてはダメだ」とか、いろいろ言われていますが、いちいち気にする必要はありません