大往生となる老衰を増やすと医療費が抑えられる

大往生となる老衰を増やすと医療費が抑えられる

令和3522日の日本経済新聞で以下の記事が報告されていました。

目次

1.死因で老衰と脳卒中が多いと医療費が少ない傾向

新聞の報道を紹介します。

47都道府県、全市区町村について75歳以上の1人当たり医療費(年齢調整済み)、死因別の死亡数、健康や医療・介護に関わる約400項目のデータを分析した。医療費が最も低い岩手県は746千円、最も高い高知県は1137千円で約40万円の開きがある。格差から課題が見えてくる。病床数が多いと医療費が高くなる。必要度の低い入院や長期入院が増えるからだ。さらに75歳以上が1万人以上の407市区町を分析すると、死因で老衰と脳卒中も多いと医療費が少ない傾向がある。(地図で見る高齢者の医療費

2.脳卒中が多いと、医療費がかからないとは?

脳卒中が多いと医療費がかかるとは?

2-1.まだ脳卒中という言葉を使う?

記事の内容以前に、脳神経内科専門医として、「まだ脳卒中という言葉を使う?」と感じました。脳卒中という言葉は、脳出血と脳梗塞の両疾患を含んだ言葉です。昔、頭部CTがなかったころ、脳出血と脳梗塞の鑑別ができなかった時代の言葉です。できれば、脳出血と脳梗塞で分けて、データ解析をしてもらいたいものです。

2-2.脳卒中の特徴

脳卒中は、脳梗塞や脳出血によって突然死をすることで、医療費がかからないことを意味するようです。また、命はとりとめても、骨折・誤嚥性肺炎を合併することで寿命が短くなり、医療費を抑えられることも意味するようです。だからと言って、脳卒中の患者さんを増やしていいわけにはなりません。

2-3.脳卒中の予防で健康寿命をのばそう

脳卒中の予防には、とにかく高血圧・糖尿病、脂質代謝異常といった生活習慣病の予防改善です。そのためには、保健師さんなどが中心となって地域ぐるみの啓蒙活動が脳卒中を予防することが、健康寿命につながるのです。健康がのびれば、医療費だけでなく、介護費用の軽減にもつながります。


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3.老衰死は医療費がかからない?

老衰死とは、「高齢者が、病気やけがでなく、徐々に全身状態が衰えて、自然に心呼吸停止となり死亡すること」と定義されています。老衰死の多くは、病院でなく自宅で迎えられることが多いため医療費もかかりません。老衰死を増やすには、最後に看取りを行ってくれる在宅医療にとりくむ医療機関が必須です。老衰死については以下の記事も参考になさってください。

老衰死とは・苦しくない理想の最期が近年増えている理由を専門医が解説

4.まとめ

  • 死因で老衰と脳卒中も多いと医療費が少ない傾向が明らかになりました。
  • 老衰は、自宅で看取られることが多く、医療費の抑制につながります。
  • 脳卒中は、医療費の抑制につながっても、増えてよいものではないので、生活習慣病の予防・改善が必要です。

 

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