【お薦め本の紹介 】 『アート・オブ・スペンディング・マネー』

【お薦め本の紹介 】 『アート・オブ・スペンディング・マネー』

『アート・オブ・スペンディング・マネー』は、「お金はいくら持つかより、どう使うかが人生の質を決める」という一貫したメッセージを軸に、お金と幸福の関係を心理学・行動経済学の視点から描いた作品です。多くの人は、お金の貯め方や増やし方には熱心ですが、「使い方」については驚くほど無自覚です。本書は、その盲点を鋭く突いています。

目次

1.お金の目的は「効用」ではなく「満足」

著者はまず、「お金の本当の価値は数字ではなく感情にある」と述べています。合理的に見える支出が、必ずしも幸福を最大化するわけではありません。高級車や豪邸は一時的な満足を与えますが、すぐに慣れ(ヘドニック・アダプテーション)が起こり、幸福感は薄れていきます。一方で、家族との旅行や自由な時間への支出は、記憶として長く残り、繰り返し幸福をもたらします。

2.「最適な支出」は人によって全く違う

本書が強調するのは、「正しいお金の使い方は存在しない」という事実です。ある人にとって最高の支出が、別の人にとっては無意味であることも珍しくありません。重要なのは、社会的評価や他人の基準ではなく、「自分が何に価値を感じるか」を理解することです。著者はこれを「自分だけの幸福関数を知ること」と表現しています。

3.幸福度を高める支出の特徴

著者は、幸福度を高めやすい支出には共通点があると指摘しています。

  • 自由を買う支出(時間・選択肢・精神的余裕)
  • 体験への支出(モノより記憶)
  • ストレスを減らす支出(不安や不確実性の除去)
  • 繰り返し効果がある支出(何度も思い出せる)

特に「自由を買う」支出は、人生の満足度に最も強く影響するとされています。収入が増えても忙しさが増すだけでは、幸福は伸びません。逆に、多少の収入減があっても自由が増えれば、満足度が上がることもあります。

4.「無駄遣い」は実は存在しない

世間で言われる「無駄遣い」は、多くの場合、他人の価値観から見た無駄にすぎません。本人が心から価値を感じ、後悔が少ないのであれば、それは立派な投資です。問題なのは金額の大小ではなく、「無意識に使っているかどうか」です。本書では、支出を見直す際に節約ではなく「集中」を勧めています。価値の低い支出を減らし、価値の高い支出には大胆になるべきだと述べられています。

5.お金は幸福を保証しないが、設計はできる

著者は、お金が幸福を直接生み出すことはないものの、「幸福になりやすい環境」を設計する力はあると述べています。保険、貯蓄、分散投資などは、リターンのためだけでなく、不安を減らすために存在します。安心感はそれ自体が幸福の源泉であり、使わないお金にも価値があるという視点です。


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6.人生後半ほど「使い方」が重要になる

最後に本書は、「お金は人生の後半ほど使う難易度が上がる」と指摘しています。健康状態や時間の使い方、家族構成が変化する中で、若い頃と同じお金の使い方では満足は得られません。貯めるフェーズから、意味のある使い方へと意識を切り替えることが、後悔の少ない人生につながります。

まとめ

『アート・オブ・スペンディング・マネー』は、節約術や投資法を説く本ではありません。
「お金で何を守り、何を増やし、何を手放すのか」
という、極めて人間的な問いを投げかける一冊です。

お金の使い方を見直すことは、そのまま人生の使い方を見直すことにほかなりません。

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