介護申請を役所の窓口が勝手に却下!対抗策は【ケアマネ医師が紹介】

介護申請を役所の窓口が勝手に却下!対抗策は【ケアマネ医師が紹介】

最近、介護に困った家族が市町村の窓口に介護保険申請を希望すると、申請自体を断られるケースが増えています。私の患者さんも、認知症が進行してきたため介護保険申請をお薦めしたところ、3名の方が立て続けに断られました。主治医が必要と判断しているのに、市町村の窓口で断られるのです。そのため市役所の介護保険課に電話をして、私の患者さんが申請に来たら必ず受けるようにお願いしました。しかし、その後も隣の市町村で同様のことが起こっています。

今回の記事では、介護申請を取り巻く現状と、市町村で不当な介護保険申請の拒絶に対抗する手段を、ケアマネ資格をもつ脳神経内科専門医の長谷川嘉哉が紹介します。

1.介護保険申請における窓口の役割は?

介護負担が重いため、介護サービスを使いたいと感じた場合、最初に市町村の介護保険課に申請をします。申請後、訪問調査員が自宅を訪問し、心身状況をチェックをした状況調査をします。同時に主治医が意見書を作成します。

その後、調査員による調査報告書及び主治医意見書に基づいてコンピュータ判定で一次判定を行います。その後一次判定に基づいて有識者による介護認定審査会で最終的な介護度が決定されます。

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つまり、窓口は単に書類を受け付けて、あとはしかるべき経験と知識のある人たちに介護認定を委ねればよいのです。何の権限もない窓口の職員が、介護認定が必要であるか否かを判断すべきではないし、本来できないはずなのです。

2.市町村が窓口で申請を拒否する手口の例とは

単に申請書類を受け取ればよい窓口が、介護申請を拒否する言い訳は以下のようなものです。

2-1.まだ介護申請するレベルではない?

申請を受け付ける前に、介護状況を家族に尋ねます。そして、「まだ介護申請をする段階ではないですね」と窓口が説得して、家族の申請を受付ないのです。患者さんが介護申請をする段階であるか否かは、調査員と主治医の意見に基づいて決定されるのです。窓口が決めることではありません。

2-2.本人が介護サービスを希望されていない?

窓口と家族の話の中で、「ご本人様は、介護サービスに利用を希望されていますか?」と聞かれることがあります。そこで、「本人は介護サービスの利用は嫌がっています」などと答えてしまうと、「ならば介護申請しても意味がありません」と言って断られることがあります。すべての要介護者さんが、喜んでサービスを利用されるわけではありません。介護度の認定がついてから、主治医、ケアマネ、家族が時間をかけて説得するのが一般的なのです。

2-3.状況がさらに悪化すれば再度きてください、という

窓口ではいろいろな理由をつけて介護申請を受け付けません。そのくせ、「状況がさらに悪化すれば再度きてください」と逃げ道だけは用意しています。今が困っているから、窓口に来ているのです。しかし申請者が高齢だと、窓口でこのように言われてしまうと、簡単に引き下がってしまうのです。

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どうしても介護保険を利用したい段階で、「状況がさらに悪化したら」とはどのようなことでしょうか

3.対応方法は?

介護で困った際に、介護保険課の窓口で断られないためには以下のように対策しましょう。

3-1.若い人、特に男性について行ってもらう

高齢者が行くと、簡単に窓口の職員に丸め込まれてしまいます。女性もあまりお勧めではありません。やはり、40〜50歳の男性が行くと、窓口のスタッフも非常識な断り方はしないようです。私の患者さんでも、高齢のご主人や長男のお嫁さんが2回ほど足を運んでも受けつけてくれなかったのに、50歳代の息子さんが行くと簡単に受け付けてもらえたことがありました。

3-2.先にケアマネを決めて、代行申請をしてもらう

ケアマネは家族に変わって介護申請を代行することができます。お願いするケアマネが決まっていれば、ケアマネに代行申請をしてもらうことが最も効果的です。介護保険の専門家であるケアマネが申請すれば、窓口で断られることはまずありません。

3-3.主治医が必要と言っていたと繰り返す

これは、私がいつも行っている手法です。介護保険の窓口で何か聞かれたら、「主治医に介護認定が必要だと言われた」という言葉を繰り返してもらいます。大げさに言えば、何を聞かれても、ひたすら「主治医に介護認定が必要だと言われた」だけを繰りかえすのです。そうすれば、さすがに意地悪な窓口職員も諦めてくれます。

4.そもそもなぜ窓口で断ろうとするのか?

介護申請をして介護度がつけば、当然ですが在宅介護サービスを利用します。時に、施設に入所される方もいます。それらは、すべて市町村の負担につながります。高齢者が急増している時代、少しでも介護保険を利用して介護サービスを利用する人を増やしたくないのかもしれません。

際、ネットでも以下のようなやり取りをみつけました。どこでも起こっていることのようです。

質問:窓口にて介護申請を申し込んだら、地域包括支援センターで申し込んでからしか受付できないと女性職員に断られた。地域包括支援センターや市職員に確認したら、役所窓口でも可とのこと。どういうことなのか確認したい。

回答:この度は、介護認定申請の受付に際し、不快な思いをされたことにつきまして深くお詫び申し上げます。今回、十分な聞き取りをしないまま地域包括支援センターをご案内したことにつきましては、不適切な対応であったと深く反省しております。 職員に対し十分な指導が行き届いておらず、不適切な対応をしたことにつきまして深くお詫び申し上げるとともに、適切な対応について指導・周知したことをご報告申し上げます。(沖縄県浦添市役所のホームページより)

5.まとめ

  • 介護サービスが利用したくて、市町村の介護保険課で言葉巧みに申請を受け付けてもらえないことがあります。
  • そのため申請には、若いできれば男性に行ってもらった方が安全です。
  • お願いするケアマネが決まっていれば、代行申請をしてもらうことが最も効果的です。
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