著者が解説、『「ボケ日和」 わが家に認知症がやってきたどうする?どうなる? 』

著者が解説、『「ボケ日和」 わが家に認知症がやってきたどうする?どうなる? 』

新著『「ボケ日和」 わが家に認知症がやってきたどうする?どうなる? 』」を、2021年4月21日かんき出版から上梓させていただきます。イラストは、「大家さんと僕」の矢部太郎さんにお願いしました。とても、本の内容にあった素敵なイラストです。帯には、梅沢富美男夫妻に推薦を頂きました。とても素敵なご夫婦の写真で本を薦めていただいています。

ボケ日和―わが家に認知症がやって来た! どうする?どうなる?(長谷川嘉哉・著)

さて、認知症は、季節が移ろうがごとく、いろいろな表情を持ちます。そんな変化を知っておくことは、認知症に関わるうえでとても大切なことです。何しろ、これからの時代、早期認知症を含めると認知症患者数は1000万人を超えるのです。認知症に関わらずに生きていくことは誰にもできません。認知症を正しく知ることで、安心して、不安から解消され、後悔しない人生を送ることできるのです。この本の中では、認知症について書いた家族の物語を、季節にしてみました。一部紹介させていただきます。

1.ちょっと変な春

早期認知症の段階のお話しです。周囲も認知症とは思っていないことが大部分です。そのため、早期認知症であることを知らずに、親子断絶・高齢者離婚になっている親子・夫婦がいます。早い段階で「早期認知症では?」と気づいてあげられれば、ご家族間の不幸な誤解を避けることができます。

「歳を取って頑固になった・」「怒りっぽくなった」「車の運転が下手になった」など、いずれも早期認知症の症状なのです。春の草木が音もなく芽吹くように、認知症の気配も、そっと芽を出します。

2.かなり不安な夏

認知症の中核症状と言われる、物忘れが主体の状態です。本格的な「物忘れの段階」に突入です。今までできていたことができなくなり、モクモクと積もりゆく夏の雲のように、家の中に混乱の気配が積み重なってい行きます。

そのため、物忘れの患者さんに質問をして、答えられないことに勝手に落ちこんでいる子供さんもいます。この段階は、抗認知症薬は、頭のリハビリなど知恵や工夫で、進行を抑えたり、改善も期待できます。ぜひ、ご家族には、患者さんに関心を持って、積極的に関わっていただきたいのです。ときには、笑いに変えてしまうことも大事です。

3.困惑の秋

認知症の周辺症状と呼ばれる、暴言・妄想・徘徊・幻覚が出現する状態です。被害妄想の犯人にされ、深く深く深く傷ついている介護者もいます。認知症特有の困った症状が、どんどん出てきて、家の中に、混乱の嵐が吹き荒れます。支える家族にとって、最もつらい時期です。


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適切な抗認知症薬の力を借りたり、介護サービスを有効に利用したり、ちょっとした対応方法の工夫で何とか乗り越えることも可能です。つらい時期は、決して長くは続かないのです。

4.決断の冬

認知症は永遠に続くものではありません。当たり前ですが、徐々に認知症の症状よりも、全身状態の悪化が中心となります。人生の終幕を迎える、静かな気配が近づいてきます。

この段階で、ご病院で言われるままに、胃ろうを作ってしまい、途方に暮れている家族もいます。認知症患者さんの終焉の正しい対応法を知っていれば、何も恐れることはありません。最後のひとときを、患者さんが穏やかに過ごせるような選択をしてあげましょう。

5.まとめ

認知症は、四季のような移ろいを知っておけば、何とか対応できるものです。拙書「ボケ日和」を一読いただいて、
季節ごとに醸し出される佇まいを味わってください。そして、あとで後悔しない正しい対応や選択をしてあげてください。

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