やむを得ない!?・・不勉強な地主が介護施設を建てて損をする

2013-07-03

“地主さん、高齢者向けの住宅を建てませんか?” 最近こんなフレーズの広告を目にすることが増えてきました。これは、先回紹介した入所施設の中で住宅型有料老人ホーム、もしくはサービス付き高齢者賃貸住宅(以下サ高賃)のことです。最近は、アパート経営をしてもうまくいかないために、地主さんに高齢者向けの住宅を建築してもらおうと戦略です。建築業者としては、とにかく建築してもらえれば良いわけですから・・

通常、地主さんが経営することはできないため、建物を貸して運営は介護事業所が行うことが多いようです。超高齢化時代に美味しい話のようですが、注意が必要です。なぜなら、住宅型有料老人ホーム、もしくはサ高賃に入所するためには、東海地方でさえ20万円前後の費用が発生します。これだけの費用が払える老人がどれだけいるでしょうか?仮に一人なら払えるとしても、老夫婦二人なら月額40万以上です。高齢者が増えて入所希望者が増えていても、費用負担のために入居できないケースが増えているのです。まさに、“お金の払える老人の奪い合い”です。

先日、名古屋でこんな広告が入りました。

開設1周年につき期間限定のお申込み特典!入居月から12か月に限り、月額管理費52,500を無料

通常の215,000円が162,500円“


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  果たして、既に入居されている方からのクレームはないのでしょうか?もし、平等に全員の月額管理費を1年無料にすると、この施設は57室あるので1年間の売上減は3千万以上です。これでは運営できるわけはありません。いずれ、行き詰まることが予想されます。さて、行き詰まった場合は、どうなるでしょうか?

地主と介護事業所との多くの契約では、退去の場合は違約金として数年分の家賃相当額を支払う必要があります。しかし、そもそも事業が成り立たなくての退去です。そんな額を支払えるわけがありません。通常弁護士さん同士の話し合いで、1年以内の違約金で話をつけることが多いようです。

 入居者のいない建物を持って介護事業の素人である地主はどうするのでしょうか?不勉強なうえで、楽して儲けようとする地主が痛い目を見るのは、止むを得ないのかもしれません。

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