仮面ライダー政治の終わり、ポケモン政治の始まり

仮面ライダー政治の終わり、ポケモン政治の始まり

令和8年2月8日の衆議院議員選挙結果を見て、違和感と同時に、ある種の納得感を覚えた方も多いのではないでしょうか。それは単なる政党の勝敗ではなく、日本社会の「価値観の世代交代」が、はっきりと数字として表れた選挙だったように感じるからです。私は今回の選挙を、「仮面ライダー世代から、ポケモン世代への移行」として捉えています。

目次

1.仮面ライダー世代が前提としてきた世界観

仮面ライダーに代表される昭和・平成初期のヒーロー物語は、明確な構造を持っています。

  • 正義と悪がはっきり分かれている

  • 悪は倒されるべき存在である

  • 敵を設定することで物語が成立する

この「勧善懲悪」の世界観は、戦後日本社会の復興期や高度経済成長期には非常にフィットしていました。目標が明確で、敵(貧困、遅れ、外圧)を倒すことで社会は前に進んだ。政治の世界でも同じ構造が長く続いてきました。与党と野党、右と左、保守と革新。敵を明確にし、対立軸を作ることで支持を集める」という戦略です。

2.ポケモン世代が生きてきた世界

一方、ポケモン世代が育った世界はまったく異なります。

  • 明確な“悪役”はいない

  • 強さは一人では完成しない

  • 多様なキャラクターが協力して成長する

  • 勝利条件は「排除」ではなく「進化」

ポケモンの世界では、敵を完全に消し去ることよりも、関係性を調整しながら前に進むことが重視されます。この感覚は、少子高齢化・人口減少・低成長という「正解のない社会」で育った世代にとって、極めて自然なものです。

3.今回の選挙結果が示したもの

今回の選挙では、「自民党 vs 反自民」という単純な構図が、有権者に支持されなかったように見えます。

特に、立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合のように「否定」「対立」「反対」を前面に出すスタイルは、一定の支持を得つつも、拡張性を失いました。

一方で評価を伸ばしたのは、

  • 日本維新の会

  • 国民民主党

  • 参政党

  • そして新しい選択肢としての「みらい」系の動き

これらに共通するのは、
「自民党と対決する」よりも、「どう関与し、どう変えるか」という姿勢です。

4.自民党支持ではなく「協力型政治」への評価

重要なのは、これが「自民党への全面的な信任」を意味しているわけではない点です。

むしろ多くの有権者は、

  • 自民党一強は望んでいない

  • しかし、対立のための対立も望んでいない

  • 現実的に政策を動かす力を重視したい


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という、非常に現実的な判断を下したように思えます。

これは、仮面ライダー的な“敵を倒す政治”から、ポケモン的な“協力して社会を進化させる政治”への転換と読むことができます。

5.医療・介護・年金の現場から見える同じ構図

この変化は、政治に限った話ではありません。

医療や介護の現場でも、
「誰が悪いのか」「どこに責任があるのか」を追及するだけでは、何も改善しません。

必要なのは、

  • 制度の限界を前提として

  • 現場で何ができるかを積み上げる

  • 完璧でなくても前に進める解決策

この姿勢は、まさにポケモン的世界観そのものです。

6.有権者は、もう“物語”より“現実”を見ている

今回の選挙で印象的だったのは、有権者が以前ほど「分かりやすい物語」に乗らなくなったことです。

  • 善悪二元論

  • 感情的な正義

  • 誰かを倒せば解決するという幻想

こうした物語は、もはや現実の複雑さに耐えられません。

代わりに求められているのは、

  • 不完全でもいい

  • 矛盾を抱えたままでもいい

  • それでも前に進める政治

なのだと思います。

7.おわりに――政治も「進化」のフェーズへ

仮面ライダーが悪いわけではありません。あの世界観が必要だった時代が、確かにありました。しかし今、日本社会は「敵を倒すフェーズ」ではなく「どう共存し、どう進化するか」というフェーズに入っています。

今回の選挙結果は、その静かな、しかし決定的なサインだったのではないでしょうか。政治もまた、バトルから進化へ。私たちは、すでにその次のステージに立っているのかもしれません。

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