林真理子さん自身が日々成熟しているため、長年にわたって世間・文壇から評価されているようです。そんな素敵に成熟するための話が満載の本です。特に年を取ったら、『「人から必要とされる」ではなく「人のために何か役に立ちたい」と能動的に考えましょう』は、納得です。
- 年をとって、後輩に成熟の素晴らしさを教えてくれる人と、老いの醜さを見せつける人がいる など成熟にも格差が生じてくる
- 成熟は一日にしてならず。しかし成熟への道は、成熟を目指したとたんにひらけていきます。日常の小さな心がけの一つ一つ、世の中のいたるところに、成熟へと向かう小さなスイッチがちりばめられている
- マナー本には載っていないマナーでこそ、人と差がつくのです。
- 楽しく生きるためにはやはり相応のお金も必要
- 好奇心とは、別の人間の人生を味わってみたいということ
- 「本を読む」ということは、自分とは違う人生を見るための格好の材料なのです。読書は必ず人生を面白く豊かにしてくれる
- 私は、本が思った以上に売れてベストセラーになった時には、人間ドックに行くようにしています。それは、いいことがあると、次は必ず悪いことが起きるのが人生だと思っている
- 俯瞰力とは、つらい時や悲しい時に自分を慰めてくれたり、笑いに変えてくれたりもしますから、人生の味方につけておくと心強い
- 人は年をとり、人づき合いの新陳代謝を繰り返していくうちに、人間関係に悩まないようになっていきます。自我も強くなっていくから、他人との関係に過度に依存することもなくなり、相性の悪い人の存在だってどうでもよくなる
- 人のイヤな面を見ても「こういういいところもあるし」と別の長所で補って考えてあげられるようになる
- 人づき合いにかぎらず、趣味やボランティアなど、本業とは別の世界を持っている人間は強いです。仕事熱心なのはいいのですが、その世界だけにどっぷりと浸かり「これが私のすべて」と重苦しい空気を放っている人は、話も面白くないですし、人間的な魅力も乏しい
- 「女は六十歳からよ。六十を過ぎてから、すごく自由になってくる。体力は落ちるけど、『こんな可能性もある』『こんな考え方もある』と、視野が広がるから生きやすくなる
- 寂聴先生だけでなく、田辺先生、宮尾先生、渡辺先生に共通しているのが、 「本を買って読んでもらったからには絶対に損をさせない」 という気迫
- 私がモットーとしているのは、「年をとったら二次会はパス」ということ。
- 「五十歳を過ぎたら、仕事の三割はお金をもらえないことをやりなさい」
- 意識的に感謝の気持ちを心に留めておかないと、自動的に「恩知らず」「礼儀知らず」になってしまう。
- 人の心を動かそうとすることを何もしないで、「万が一」など起きるはずはありません。
- 仕事で大活躍している人や、各方面からお声がひっきりなしに掛かる人気者の人ほど例外なく時間の使い方が上手だと感じます。まず優先順位を決めて、やるべきことをきちっとこなすことが出来る。その上で、自分が楽しいと思うことにはたっぷりと時間とお金を費やす。彼らは「忙しいから」などという言い訳は絶対に口にしません
- お金を軽んじてはいけない。お金は、人を積極的にしてくれるし、可能性を広げてくれる
- 好きな仕事に就けるということは、人生の幸せの八割を得たということ
- 仕事には「お金を得られる」と「生きがいを得られる」という二つの利点がある
- 定年後にどのような生き方をするかは人それぞれですが、「いつも楽しそう」というのは自分自身はもちろん、家族や周囲の人をも幸せにしてくれる、大切な姿勢
- 仕事をする時には母と父の両方が助けてくれます。根を詰めて書かなければならない時には母の遺伝子が私の真面目さと集中力を後押ししてくれて、先行きがたまらなく不安になる時は「なんとかなるさ……」と父の声が囁いてくれる
- 介護をする年齢になると、人は清々しいくらい平等になるんだなあということも経験しました。どんなお金持ちだって、東大を出ていたって、「親の介護をどうしよう」「山梨の空き家をどうしよう」という悩みは等しく同じ。
- 私が娘に見せたかったのは、 「自分でお金を稼ぐと、こんなに楽しく生きられるんだよ」 ということ
- 私は、男の人から幸福は得られるかもしれないけれど、男の人に幸せにしてもらおうとは思ったことがありません。
- ちょっとしたことでいいから何か新しいことをして、昨日とは少し違った自分になってみる。成熟にはキリがありません。毎日新しいスイッチを入れながら、自分の変化を楽しむことが出来たら、なんて素敵な人生でしょう