アスパラガスを食べた後の尿はなぜ臭い?

アスパラガスを食べた後の尿はなぜ臭い?

患者さんから教えてもらった話です。患者さんは、「アスパラガスは、食べた後の尿の臭いが嫌いなので食べない」とのことでした。正直、そんなことは気にしたことがなかったのですが、これには遺伝子も関与する話であるようです。

目次

1.アスパラガスを食べた後の独特の臭いとは?

アスパラガスを食べると、代謝物としてメタンチオールが生成され尿に排泄されます。メタンチオールは悪臭物質のひとつで独特な匂いがあります。そんなメタンチオールですが、その匂いを感じる人と感じない人がいます。

2.原因物質の匂いを嗅ぎ分ける能力があるか否か

以前は、人によってメタンチオールを生成するか否かの違いがあると考えられていました。しかし近年の研究で、メタンチオールは誰でも生成され、匂いを嗅ぎ分ける能力があるかどうかの違いであることが分かってきました。

3.アスパラガスの匂いの感受性の遺伝子

匂い物質と結合するたんぱく質を作り出す遺伝子(嗅覚受容体遺伝子)の1つOR2M7にある遺伝子型「SNP:rs4481887」とアスパラガスの匂いの感受性に関連があることが明らかになりました。SNP:rs4481887という遺伝子型で「A」を持っているほどアスパラガスを食べた後の尿の匂いを感じやすい傾向があるようです。遺伝子型は次の3つのタイプがあります。

  • より感じやすいタイプ(遺伝子型:AA)
  • 感じやすいタイプ(遺伝子型:AG)
  • 一般的なタイプ(遺伝子型:GG)

日本人における遺伝子型の割合は、「より感じやすいタイプ(遺伝子型:AA)」が3.5%、「感じやすいタイプ(遺伝子型:AG)」が30.2%、「一般的なタイプ(遺伝子型:GG)」が66.3%と報告されています。


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4.長谷川自身は?

先日、アスパラガスを1本程度食べる機会がありました。その後、排尿した際に気にしてみると、その悪臭?に驚きました。今まで気にしていないだけであったようです。遺伝子検査はしていませんが、「自分自身はAGかな?」と感じるほど悪臭を自覚しました。決して、心地よい事ではありませんが、機会があればアスパラスを食べた後の尿の臭いを気にしてみて下さい。

5.まとめ

  • アスパラガスを食べると、代謝物として悪臭物質のひとつでメタンチオールが生成されます。
  • そんなメタンチオールですが遺伝子によって嗅ぎ分ける能力の有無があるようです。
  • メタンチオールの臭いは約30%前後の方しか嗅ぎ分けられないようです。
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