現在、認知症の治療薬には、エーザイが発売しているアリセプトがあります。
保険で認可されている認知症予防薬としては唯一です。
実際、当院でも相当処方しています。
予防薬といわれていますが、適切なレベルであれば改善するケースも多く見られます。
実は、専門外の先生方にはあまりアリセプトの評判は良くないようです。
実は、この“適切なレベル”が重要となります。
進行してしまった患者さんに投薬しても効果は、殆どありません。
逆に幻覚・妄想といった周辺症状が出ているときに処方すると、周辺症状がさらにひどくなります。
つまり、不適切な患者さんに投与してしまうため、結果として“効果が無い”“副作用が強い”という評価となってしまうようです。
そのため適切なレベルが重要となります。
通常、側頭葉の機能を評価するMMSEは15点以上、最低でも10点以上の方に投与しますと効果は高くなります。
通常は、3mgで開始して、5mgを維持量とします。
5mgでの反応が悪く、年齢も若いケースでは10mgも積極的に使用します。
アリセプトの使用に際しても、適切な評価が重要で、出来るだけ早期発見・早期受診が重要となります。