皆さん、本屋大賞をご存知でしょうか?
本屋大賞は全国の書店員がいちばん売りたい本を、投票によって選ぶ賞として創設されました。
まったく新しいスタイルの「賞」の実現に向けて、書店員有志による実行委員会が結成され、NPO法人の認可を受けられたようです。
当初は、「書店店頭でのお祭りになるイベント」として創設された本屋大賞ですが、この賞を長く続けていくために、またさらに活動を発展させていくために、NPO法人本屋大賞実行委員会が誕生したようです。
2012年の大賞は、三浦しおんさんの「舟を編む」でした。
通常本の書評は、その人の立場により選ぶ本が異なり面白いものです。
私は、通常は土井英司さんのビジネスブックマラソンで紹介されている本を参考にしているのですが、やはり全国の書店員が選ぶ本はビジネス書とは違い新鮮でした。
「舟を編む」の物語は、何年もかけて辞典を編纂(へんさん)する編集者らの情熱が描かれています。
三浦さんが無尽蔵ともいえるほどの言葉が載っている辞書を、どうやって作ったんだろうという素朴な疑問から生まれたそうです。
本の中から少し紹介します。
・ 辞書は、言葉の海を渡る舟だ。
人は辞書という舟に乗り、暗い海面に浮かびあがる小さな光を集める。
最もふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために。
もし辞書がなかったら、我々は茫漠(ぼうぼく)とした大海原を前にたたずむほかないだろう
・記憶とは言葉。
香りや味や音をきっかけに、古い記憶が呼び起されることがありますが、それはすなわち、曖昧なまま眠っていたものを言語化することです。
読み始めてから、一気に読み終えてしまいました。
思わず、近くにあった辞書を手に取ってみました。
改めて、紙質にまで関心が持てるようになりました。
辞書作りは、完成した時点から改訂作業が始まるようです。
国民として、自国の言葉の重要性にも気が付かせてもらえました。
ちなみに読み始めから、とてもビジュアルがイメージできる展開でした。
きっと、いずれ映画化されるのかと思いました。
ちなみに、以前見た映画「風が強く吹いている」も三浦しおんさんの作品でした。
どちらも、お勧めです。