外来をやっていると本当に90歳を超えた方が増えてきました。
統計では、平成26年で174万2千人で全人口の1.4%を占めています。ちなみに、20年前の平成7年では44万3千人ですから、約4倍になったのです。私が医師になった24年前には90歳以上の患者さんは珍しかったものです。最近では珍しく感じないのも、統計の数字を見ると納得です。ちなみ90歳以上の男女比ですが概算で1:4のようです。つまり90歳を超えた方の8割近くは女性なのです。これも外来をやっていると納得です。
そんな90歳以上の方々ですが、ある特長に気が付きます。それはとにかくしっかり食べることです。体が小さくてもとにかく食べるのです。“介護者より食べる”と言われる方も見えます。毎年夏場になると高齢者の脱水がニュースになりますが、90歳越えの方は暑さにも負けません。医療従事者や介護者が、バテテしまうような暑さでもケロッとしています。
さらに、体調を崩しても食事量が落ちません。実はこれが大事なのです。発熱や下痢などで食事量が落ちると、やむを得ず入院となります。入院となると安静を要するため、一気に体力が落ち日常生活動作が落ちて寿命が短くなるのです。食事量が落ちなければ入院の必要はなく、通院での治療が可能です。結果として早々に回復してもとに戻るのです。このような積み重ねにより、結果として90歳以上の長生きとなっているようです。