認知症患者さんは
“痛みに鈍感?”
と言われることがあります。
私の患者さんにも思い当たる例があります
例1) 何度も何度も、お腹が気持ち悪いと訴える患者さん。
薬を処方するも改善せず
精査目的で腹部XPを撮影
偶然、足の付け根も写り
良く見ると
大腿骨頸部骨折
本人曰く、あくまで
“気持ちが悪い”
ひびでなく、完全に折れており、
相当痛い!?と思われるのですが・・
例2) 背中から腹部の神経走行に沿って広がる
発赤・水泡
典型的な帯状疱疹
帯状疱疹は、神経自体の痛み・・
人によってはその痛みでノイローゼになってしまいます。
しかし、患者さんに、何度質問しても
“痛くない!”とのこと
例3) いつもは、動き回っている患者さんが元気がありません
体調を伺っても、
“どこも悪い所はない”とのこと
念のため
至急の採血
心電図
胸部XP
心電図では典型的な心筋梗塞
心筋トロポニン検査もしっかり陽性
これだけの所見なら
胸も痛いし、苦しいのでは?
正直、
“検査して良かった・・”
とホッとしました。
例4) 痛みではないのですが、
多くの患者さんは暑さに鈍感です。
どれだけ暑くても
クーラーは嫌いです。
扇風機でさえ嫌がることも・・
窓さえも締めてしまいます
室内の気温が30度を超えます。
通常では、倒れてしまいそうな気温でも
ケロッとしています。
結果として、
熱中症や脱水で運ばれるのですが・・
このように、
認知症患者さんの
訴えは当てになりません。
まるで探偵のように
“いつもとと違う様子はないか?”
神経を研ぎ澄まします。
でも、時に
見落とす可能性があることも
ご家族には、ご了承願っています。