東京會舘には、伝統の本格フランス料理を一般に広めることを目的とした
クッキングスクールがあります。
その内容は、歴代の調理本部長を筆頭とする現役シェフが、
独自のテキストを使って講義し、
東京會舘と同じ材料でレストランの味と技を伝授する本格的なものです。
いままでに9万人以上 もの卒業生を輩出しています。
実は、このビジネスモデルはとても優れたものです。
山田 真哉さんの書かれたミリオンセラー本に、
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)」
があります。
身近な出来事から「会計」を理解しようという本です。
その中のエピソードに、ベッドタウンに高級フランス料理店の謎があります。
住宅地にある高級フランス料理店が、
なぜ商売としてやっていけるのかを考えるエピソードです。
結論としては、「料理・ワイン教室を開催しているから」というものです。
会場はお店を利用し、講師はスタッフを活用することで、店の費用としては
・ 場所代=(会場を新たに用意するわけではないので追加料金として)0円
・ 講師代=スタッフの給料(通常の給料に講師代の手当を追加する)
・ 告知費=0円(店内掲示)
・ そのうえ「高級」フランス料理店のスタッフが講師なので、高級感があり
受講料金はある程度高くできる
と大幅な費用を掛けることなく事業を行うことができます。
さらに、料理・ワイン教室でお店に来てもらうことによるお店への親密度向上、
参加者の口コミによる効果・誘客効果から、
本業の売り上げ増にまでつながります。
クッキングスクール9万人以上の卒業生は、
生徒でありながら、お客様にもなって、
東京會舘で食事をしてくれますから、
一石二鳥です。
現在では女性だけではなく、
男性のシニア限定クラスも開設されています。
どれをとっても、視点が素晴らしい!