【お薦め本の紹介】これは参考になる!『血糖値は「腸」で下がる』

【お薦め本の紹介】これは参考になる!『血糖値は「腸」で下がる』

血糖のコントロールに悩んでいる方は、とてもたくさんいらっしゃいます。食べたいものも制限し、一生懸命運動をして、それでも血糖値が下がらない。そんな方には、一度視点を変える意味でも、森豊さんの『血糖値は「腸」で下がる』をお勧めします。総合内科専門医としても、目からうろこが落ちる内容満載です。血糖値スパイク値ドクターとしてもいくつも生活に取り入れることができました。内容から、一部紹介します。

  • 血糖コントロールにおいても、腸内環境が非常に大事な役割を果たしていることがわかってきました。腸内分泌細胞から分泌されるインクレチンというホルモンです。このホルモンは、食事をすると腸壁から分泌され、すい臓の β 細胞にインスリンを出すシグナルを送る働きをします。すなわちインスリン分泌の司令塔なのです。
  • 短鎖脂肪酸は、ある種の腸内細菌が、主に水溶性食物繊維を分解することによって作り出しています。つまり、水溶性食物繊維を摂取すれば、インスリンの分泌を促すインクレチンの分泌が高まるのです。
  • メトホルミンは、インクレチンの分泌に関わっていて、インクレチンの一種であるGLPー1の分泌を促進する作用があることがわかってきたのです。 また、腸内フローラ(腸内細菌 叢)に影響を与えている可能性も報告されています。
  • 腸内環境を整えれば、糖尿病の予防、改善が期待できるといえるのです。糖尿病の食事療法では、カロリーや糖質だけでなく、食物繊維のとり方が血糖コントロールを大きく左右しているのです。
  • たまねぎやごぼうなどの野菜に含まれる水溶性食物繊維のイヌリンは、腸内で分解されて短鎖脂肪酸(腸内細菌によって作られる脂肪酸の一種。 酪酸、酢酸、プロピオン酸など)になって腸のエネルギー源になります。なかでも酪酸は腸内を酸性にして腸内環境を改善したり、免疫力をコントロールする。
  • 炭水化物を多くとっていたにもかかわらず、麦飯の時代は糖尿病が少なかったともいえるのです。これは、大麦が入った麦飯の時代は食物繊維、とくに水溶性食物繊維を多くとっていたことが大きいのです。
  • イヌリンは、人の消化管で消化・吸収・代謝され、排便量を増やし、健康的な腸内フローラの形成に貢献するばかりでなく、血糖値の上昇抑制効果も知られている
  • 食物繊維をたくさんとると腸のエネルギー源が十分に供給されるだけでなく、腸の善玉菌のエサが増えて腸内環境がよくなり、さらには糖尿病を予防・改善することにつながる。
  • 過食や欠食・偏食は腸に大きなダメージを与え、「腸ストレス」をもたらします。冷えや精神的ストレス、運動不足なども腸ストレスの原因となります。とくに気をつけたいのが、過食=食べ過ぎ。
  • 一日にとった総カロリーは同じであるにもかかわらず、食事のしかた次第で、血糖値の上昇幅も、インスリンの分泌量も大きく変わってくる。
  • 一番のご法度は、夕食の〝ビッグミール〟。 夕食を制する者が糖尿病を制する
  • 野菜→主食の食べ順ですが、近年の研究で、野菜と主食の間にたんぱく質を摂取することで、より血糖上昇の抑制効果が高くなることがわかってきた。
  • 地中海式食生活にはなくて和食にあるよい点は、発酵食品や出汁の存在です。味噌、醤油、漬物、納豆などの発酵食品が豊富で、植物性乳酸菌(納豆は納豆菌)が多くとれるため、腸内環境を整えてくれます。
  • 食物繊維が腸内で分解されて短鎖脂肪酸となり、この短鎖脂肪酸がインスリン分泌に良好な働きをすることがわかってきました。ということは、食物繊維摂取量が減少すれば、腸内環境だけでなく、血糖コントロールにも悪影響を及ぼす。
Amazon紹介ページ
長谷川嘉哉監修シリーズ