2019年7月16日のこの本が出た時には、「倒産件数も減少しているときに、何を言っているのか?」と思ったものです。しかし、1年経ってコロナ禍で、まさに「大倒産時代」が到来しようとしています。もしかして、この本は、「預言の書」なのかもしれません。コロナ禍の今、再度読み返しました。本当に本当に本当に、つまらないぐらい当たり前のことが書いてあります。
しかし、出版不況の今、当たり前のことを書いても本は売れません。そのため、本当に大事なことが書いてある本は、思いのほか少ないのです。読む人にとっては、不快に思うかもしれません。でも、この預言の書には、本当に大事なことが書いてあります。コロナ禍のいまこそ、お薦めです。本の中から一部ご紹介します。
- 破産会社の社長は、税理士に対する不満や、銀行に対する不満など他人のせいにする。
- 決算書が読めない近視眼的な経営者は、節税が大好きという特徴があります。
- 税金を払わなければ、会社にキャッシュは貯まらない。
- 当座比率は、会社にとって最も重要なものと、最も危険なものを比べるもの
- 中小企業の場合は、自己資本比率だけでなく、自己資本金額も重視してください。
- 自分の法人の財務体質が良くなると、比例していい得意先が増えてくる。類は友を呼ぶのです。
- 節税を売りにする三流税理士と、税金を払いたくない三流経営者が会社を潰す
- 「損か得か?」、「楽か苦しいか?」で意思決定する経営を「損得苦楽経営」と呼ぶ。
- 「損得苦楽経営」の経営者の特徴は、時間にルーズ、約束を守らない、言い訳をする、素直でない、節税をするです。そして、いずれキャッシュが底をついてつぶれてしまう。
- 利益による資金調達が最も健全な資金調達方法で、この利益を無限に大きくしていくことが健全な企業経営
- 当座比率300%以上、かつ、自己資本比率が70%以上を目指す。
- 100年企業は、伝統を大事にしながら、不断の革新・変革を続ける
- 100年企業は、無駄遣いをせずに、「ケチ」と思うほどに支出には厳しい。
- 100年企業は、当座比率と自己資本比率でキャッシュの管理をする。
言葉は厳しいですが、当たり前のことを継続することの重要性が分かる貴重な本です。お薦めします。