堺屋太一さんの、予想小説”平成30年“が最初に朝日新聞に掲載されたのが平成7-8年ごろです。その後、20年近く経って恐ろしいほど実現しています。平成30年まであと5年、改めて堺屋太一さんの洞察力には敬意を表します。そんな堺屋さんの最新作が”団塊の秋“です。ちなみに、今では誰でも自然に使っている、”団塊の世代“という言葉は、堺屋さんが作ったものです。現在、アベノミクスでちょっとしたバブルの雰囲気です。しかし、この本を読むと安易に流れに乗ることの危険性が理解できます。1990年代のバブルでの大損の再現の恐れが大です。本の中からこれから数年の流れをピックアップして紹介します。
“2009年、改革の風で民主党、2012年保守回帰の風で自民党。しかし大型予算と金融緩和政策で株高円安を招いた保守政権も初めの1年は評判が良かったが、2年目からは批判続出。1ドル120円を超えたあたりから電気代、ガソリン代、食料品は値上がり。一方輸出は増えず雇用も増えない。
2014年からは、世界の景気が落ち込み貿易量伸び悩む。日本企業も、ばら撒き予算と消費税引き上げに生じる駆け込み需要への対応に追われ、国際市場でのシェアを落としてしまった。
2015年には、『間もなく財政支出も息切れする』との観測から、設備投資の火が消えた。何より解雇の規制が厳しくなり、正規社員を増やす企業が減った
決定的だったのは、2016年国債価格の暴落。金融機関は大打撃、貸し渋り貸しはがしが酷くなった。信用保証協会の枠組みを広げ、ただ赤字企業を生かすだけで、新規の企業を妨げている
以前は自公の一強に、野党3党は3弱。今や分裂した自民2派と公明も合わせて、6弱時代。明確な政策を推進できる強力政党なんかなくなってしまった。
如何ですが?とても納得できませんか?“ばら撒き予算と消費税引き上げに生じる駆け込み需要への対応に追われ、国際市場でのシェアを落としてしまった。”などは、まさに現在の状況です。これを信じる信じないは、個々の判断です。しかし、私は、平成30年を明確に見通した堺屋太一さんの予想に合わせた、個人・ビジネスを進めていきたいと思います。