【お薦め本の紹介】渡部よりだらしがない?渋沢栄一の「論語と算盤」

【お薦め本の紹介】渡部よりだらしがない?渋沢栄一の「論語と算盤」

2021年2月からの大河ドラマは、日本資本主義の父といわれる、渋沢栄一さんを主人公に幕末から明治時代が描かれます。そんな、渋沢栄一さんが書かれた「論語と算盤」の現代語訳である、守屋淳さんの「現代語訳 論語と算盤」を読みました。正直、一番心に残ったのは、「栄一は最初の妻千代を四十三歳のときになくすと、後妻として兼子と結婚し四男三女をもうけている。またこの時代の通例で、お妾さんも数多く持ち、その子供は三十人以上はいたらしい。」と『栄一自身も晩年には、 「婦人関係以外は、一生を顧みて俯仰天地に恥じない」 とみずから語っていたという。』の二つのフレーズです。最近、話題の「渡部事件?」に比べると、時代ものどかであったようです。私は、そんな人間臭い「渋沢栄一」さんがとても好きになりました。もちろん、その点は大河ドラマでは描かれないと思いますが・・。

本の内容を一部ご紹介します。

  • 渋沢栄一とは、 「近代日本の設計者の一人」
  • 彼が設立に関わった会社は約四百七十社、それ以外に五百以上の慈善事業にも関わり、後世、「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれてノーベル平和賞の候補にもなっている。
  • 栄一は、「実業」や「資本主義」には、暴走に歯止めをかける枠組みが必要だ、と考えていた。
  • ソロバンは『論語』によってできている。『論語』もまた、ソロバンの働きによって、本当の経済活動と結びついてくる。
  • 金銭を取り扱うことが、なぜ賤しいのだ。金銭を賤しんでいては、国家は立ちゆかない。人にはどうしようもない逆境」とは、立派な人間が真価を試される機会に外ならない。
  • 逆境に立たされた場合、どんな人でもまず、 「自己の本分(自分に与えられた社会のなかでの役割分担)」 だと覚悟を決めるのが唯一の策。
  • 名声とは、常に困難でいきづまった日々の苦闘のなかから生まれてくる。失敗とは、得意になっている時期にその原因が生まれる。
  • 人間はいかに人格が円満でも、どこかに角がなければならない。古い歌にもあるように、あまり円いとかえって転びやすくなるのだ。
  • 強い意志のうえに、聡明な知恵を持ち、これを情愛で調節する。さらに三つをバランスよく配合して、大きく成長させていってこそ、初めて完全な常識となるのである。
  • 自分の利益しか目的にしていなくても、その事業が正しいものである限り結果として国家や社会のためになるだろう。
  • 孝行は親がさせてくれて初めて子供ができるもの。子供が孝行をするのではなく、親が子に孝行させるのである。
論語と算盤(ちくま新書・Amazon紹介ページ

 

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長谷川嘉哉監修シリーズ