「道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である」

2014-04-23

先回、医師個人の能力に頼りすぎず、仕組みを導入することで『赤ひげ先生』、つまり優良な医療を提供する話をお話ししました。しかし、実際に仕組みを導入しようとすると、現場の医師からは多くの反対を受けます。例えば、電子カルテ導入一つにしても、医師の中からは反対意見が出るものです。医師自身は、頭が良いのでそれなりの理屈をつけて反対します。例えば、『入力作業のために十分患者さんを診れない』など・・

しかしそれ以上に、“他の医師と患者さんの情報が共有できる”、“会計時間短縮により患者さんの待ち時間が減る”、“薬の入力ミスが減る”など、メリットは計り知れません。

また、仕組化を導入するにおいては、業務の視える化、効率化が必要となります。そのため従来の業務を洗い出す必要があります。大体この段階で、このようなことを考えては医療の質が落ちると反対意見が出ます。多くの医療従事者は、効率化と医療の質は相反すると考えるようです。


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当院では、医療の現場を知らない介護事業会社の代表取締役に業務の見直しをお願いしました。その結果、看護婦でなくてもできる仕事は受付に、PCの台数を増やすことで全体の人数をも減らすことができました。しかし、患者さんに対するサービスの質や待ち時間には変化はありません。つまり、仕組化と質はと両立したのです。

多くの医療従事者、最近では介護従事者にも知っていただきたい言葉があります。二宮尊徳さんの『道徳なき経済は罪悪であり 経済なき道徳は寝言である』 です。どれだけ、理屈を並べても、そこに正当な利益が出ていなければ、それは寝言なのです。

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