お寺や神社へ参拝のご利益に良く出てくる言葉に
中風除けがあります。
“中風”という言葉をご存知ですか?
中風は、ちゅうふう、地方によって「ちゅうぶ」、「ちゅうぶう」、「ちゅうふ」などと呼びます。
医学的には、脳血管障害。
つまり脳出血や脳梗塞による後遺症。
片麻痺(半身不随とも・・)、言語障害、手足のしびれやまひなどを指します。
中気、脳卒中、
あまり良い言葉ではありませんが、「よいよい」ともいいます。
脳血管障害のなかの脳出血と脳梗塞
血管が破れるか、
血管が詰まるか、
病態は全く異なります。
しかし、突然意識障害をおこしたり
片麻痺をおこす点は
良く似ています。
現在であればCTで瞬時に診断がつきますが
昔は、鑑別する方法もありません。
ひとまとめに中風と言ったのでしょう。
中風は、突然発症し、死に至ることもあります。
今でこそ死因の第一位は癌ですが、
最近までは、脳血管障害が第一位でした。
昔は、間違いなく中風が死因の第一位。
きっと皆がこの病気を恐れたのでしょう。
そのため中風除けの行事が伝わっています。
一つ目は『大根炊き』です。
収穫どきにはみんな健康になり、医者がいらなくなるという意味で
“大根時の医者いらず”と言われています。
栄養たっぷりでビタミンC、毛細血管を 強くする ビタミンPが
多く含まれており 、脳卒中にかかりにくくなります
12月7〜8日の千本釈迦堂 「大根だき」 は
釈迦が悟りを開いた日を記念して行われる
厄除けの大根供養。
中風の厄よけにもなり、毎年大勢の人が訪れる冬の風物詩です。
12月9・10日には了徳寺で3000千本もの大根が炊かれ、
この大根をいただくと中風にならないと言われています。
一方かぼちゃを食べると、
「中風にならない」「風邪にかからない」といわれています。
カロチンが多く含まれ、他にもビタミンC、ミネラルなどの成分が含まれているからです。
安楽寺では、毎年7月25日「中風まじない鹿ヶ谷カボチャ供養」がおこなわれます。
参拝されたお方に、煮炊きされた鹿ヶ谷カボチャを食べていただき、
中風にならないよう祈願する行事です。
以上の知識も京都検定で学んだものです
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