先回まで、紹介したように、認知症の介護においてグループホームは一つの理想だと思われます。
しかし実際は、いくつかの問題があります
運営する業者によって差がある点です。
現在、当院では、4箇所のグループホームの協力医をしています。
同じ、グループホームでありながら、運営法人によって理念にかなり差があるようです。
具体的には、住居環境、スタッフの質、入居者の選定、入院の際の対応方法、費用を含めて相当違いがあるため、入所に際しては情報収集が必要です。
しかし現実には、どこも定員が一杯であり、情報収集しても選択できないのが実態です。
次いで、重症化にいかに対応するかです。
入居者さんは、確実に年を経ると重度化します。
入居時に歩けて、多くのことが出来た入居者も確実に日常生活動作は落ちていきます。
そこで皆さんに一つ施設見学においてもコツをお教えします。
見学の際に、車椅子や大声を出している入居者がいると、出来ればこの施設は避けたいと感じませんか?
しかしこれは見方を変えれば、そのような状態になっても看てくれる施設であるという証明です。
逆に、一見皆が元気で、レクリエーションに参加している風景は、家族にとっても心地よく写ります。
しかし逆に少しでも日常生活レベルが低下すると、退所を求められる可能性もあるのです。