昆布の凄い効果を医師が解説!・気軽に補給できる昆布水の作り方も

昆布の凄い効果を医師が解説!・気軽に補給できる昆布水の作り方も

先日、昆布づくしの懐石料理を頂く機会がありました。特に30年物の昆布の味は、素人でも差が分かるほど濃厚なものでした。そんな、日常では普通に使っている昆布ですが、実は健康のために驚くべき効果があることが分かりました。今回の記事では、総合内科専門医の立場から昆布の凄い効果・効能をご紹介します。

目次

1.結構知らない昆布の話

身近な昆布ですが結構知らないものです。

1-1.90%以上は北海道産

昆布の国内生産量はほとんどが北海道から採取されていて、全体のほぼ95%に相当します。青森、岩手、宮城県の東北3県では5%前後となっています。

1-2.種類が豊富

Dried seaweed
昆布干しの風景。何気なく使っている昆布にも、産地によって違いがあります

昆布の種類はとても豊富です。北海道の中でも、暖流や寒流によって種類や用途が異なります。代表的なものをご紹介します。

  • 真昆布:もっとも代表的な良質な昆布。肉厚があり幅も広くそのまま利用されます。また、塩昆布やとろろ昆布、佃煮昆布に使用されることもあります。
  • 利尻昆布:味が濃く、香りが高い澄んだだしがとれます。特に京都の会席料理に好んで使用されています。
  • 羅臼昆布:だし汁がにごるという特徴がありますが、香りがよく柔らかく黄色味を帯びた濃厚でこくのあるだしがとれます。そのだしのおいしさから、「だしの王様」とも呼ばれます。
  • 日高昆布:繊維質が柔らかく、煮えやすい昆布です。だし昆布だけではなく、昆布巻き、佃煮、おでん用の昆布に適しています。
  • 長昆布:細長い昆布で最も生産量が多く、大衆的な加工材料です。
  • 細目昆布:幅が細く1年目に採取される昆布です。粘りが強いためおぼろ・とろろ昆布、刻み昆布などに加工されます。

1-3.和食のユネスコ認定で「だし」にも関心

現在、和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界から注目されています。それに伴って、和食の要である「だし」にも注目が集まっています。その中でも、うま味を引き立て美味しくヘルシーであるという点から「昆布」が注目されているのです。

2.昆布の効果

昆布には、医師としても驚くべき凄い効果があるようです。特に、昆布を煮た時などに出てくる独特のねばり成分は「アルギン酸」「フコイダン」といった海藻特有の水溶性食物繊維が含まれています。これらがもたらす効果を具体的に考えてみます。

2-1.高血圧・動脈硬化の予防

昆布に多く含まれている天然多糖類のアルギン酸は、脂肪を吸収し、塩分を効率よく体外に排出する働きがあります。そのため、高血圧や動脈硬化の予防効果があると考えられます。

2-2.脂質代謝異常の改善

またアルギン酸には、コレステロールを下げる、胆汁酸の吸収を抑制する働きがあります。近年の報告では、脂肪の燃焼を促進し肥満を防ぐ効果もあることが指摘されています。

2-3.糖尿病の予防や整腸作用

昆布の豊富な水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)は、整腸作用や便秘解消にも効果的です。また、ブドウ糖の吸収を遅くし、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあるため、糖尿病の予防にも効果的があります。

2-4.ミネラル豊富で骨粗しょう症も予防

カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、ヨウ素などのミネラルは、体の組織を作ったり、調子を整えたりする大切な栄養素です。例えば、昆布に含まれるミネラルは牛乳の約23倍カルシウムは約7倍鉄分は約39倍も含まれています。

ヒトの身体に流れる血液やリンパ液は、海水の成分に類似しています。海で育つ昆布は、海の中にあるミネラルを吸収して、人間に有害な物はあまり吸収しないという特徴があります。そのため、他の食品に含まれるミネラルに比べ、昆布のミネラルは体内への消化吸収率が高く、その約80%が体内に吸収されると言われています。

2-5.美肌・美髪・美爪・美ボディのための成分も

昆布には、ヨウ素が多く含まれています。このヨウ素から作られる甲状腺ホルモンは、交感神経を刺激して新陳代謝を活発にしてくれるため、ダイエットや美肌を保つために効果的だと言われています。また、髪や爪の美しさを保つ働きにも優れています。

なお、ヨウ素は、体内の代謝を活発にする働きがありますが、食べ過ぎると甲状腺の機能低下を引き起こします。しかし、普通に食べる量では全く問題ありません。


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3.だしを取った後の昆布、捨てないで!

Bowl of laminaria seaweed from above
だしを取った後の昆布にも活用法があります

通常は、昆布はだしとして使います。しかし、だしを取った後の昆布には、水に溶けない抗アレルギー成分がたっぷり含まれ、食物繊維も豊富です。ちょっとした一手間でおいしく食べられます。

以下のサイトに、だし取り後の昆布を使ったおいしいレシピが紹介されています。

一般社団法人日本こんぶ協会 だしを取った後の昆布活用法

4.昆布水もお勧め

今回の、昆布ずくしの懐石料理の前には、水に浸した昆布水がふるまわれました。それがとっても美味しいのです。健康のためには昆布水を毎日飲むことをお勧めします。

4-1.作り方

「昆布水」は、だし用の昆布を一晩(8時間)水に浸けておくだけで作ることが出来ます。夜のうちに水100mlに昆布1gを浸して、朝飲むようにしましょう。(昆布は5cm角で約2gです。)癖があって飲みにくい場合は、炭酸で割るととても美味しく飲むことが出来ます。

4-2.飲み方

体内が浄化される時間である朝から午前中は「デトックスタイム」と言われています。そのため、昆布水の効果的な飲み方としては、朝一番がお勧めです。効果の出やすい「デトックスタイム」は、午前中の老廃物の排出力が上がる時間帯なのです。その上、寝起きは水分の吸収もよく、冷たいお水を飲むことで便意につながり、効果が出やすくなるのです。

4-3.お勧めの昆布

手に入るようであれば「根昆布」を使う方が効果的です。根昆布は、他の昆布に比べてネバネバ成分のフコイダンが多く含まれているからです。ただし、普通の昆布でも十分効果はあります。

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5.まとめ

  • 昆布は、だしをとるだけでなく、とった後の昆布も食べることが出来ます。
  • 昆布には、高血圧・糖尿病・脂質代謝異常、さらに貧血、美肌にまで効果があります。
  • そのため毎日の昆布水は、お勧めです。
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