飲酒が筋肉を破壊して「不健康な痩せ」になるメカニズムを専門医が解説

飲酒が筋肉を破壊して「不健康な痩せ」になるメカニズムを専門医が解説

最近、数年ぶりにお会いした方々で感じたことがあります。それは、「不健康な痩せ」です。確かに、太っているわけではないのですが、健康的でないのです。我々、医師からすると、不健康に感じでしまう痩せ方をしているのです。そこで気にしてみると彼らには共通点がありました。いずれもお酒の大量飲酒をされているのです。実は、飲酒は筋肉を破壊する働きがあります。今回の記事では総合内科専門医がアルコールが筋肉を破壊するメカニズムを紹介します。

目次

1.アルコールによる不健康な痩せ方とは?

大量飲酒をしている人を見て「不健康」と感じるのは、姿勢の悪さです。体幹の筋力低下のためか、前屈気味で、歩幅も狭くなっています。そして筋肉のハリもなく、四肢も不自然に細くなっているのです。結果、出るところは出て、締まるところは締まるといったことのないメリハリのない体形になってしまっているのです。

2.飲酒は筋肉を破壊する

飲酒の筋肉への影響は急性と慢性に分けられます。

2-1.急性アルコール筋症(ミオパチー)

短時間で大量のアルコールを摂取すると、急激に筋肉が破壊され、「急性アルコール筋症(ミオパチー)」と呼ばれる症状が起こります。この際は、一時的な破壊だけでなく、筋繊維の一部が壊死してしまうことも知られています。この際には、筋肉の痛みも感じますが、筋トレのように傷ついた筋肉の超回復で筋肉が成長することはありません。アルコールで傷ついた筋肉は超回復はしないのです。

2-2.慢性アルコール筋症

アルコールを摂取すると、筋肉中のたんぱくの一つであるミオグロビンの溶出、筋繊維の壊死が起こり、筋委縮と筋衰弱がおこります。アルコール摂取を長期に継続すると、筋肉痛や筋力低下を実感することはなくなるのですが、慢性的に、確実に筋力が低下するのです。

3.アルコールが筋肉に影響するメカニズム

アルコールは以下の機序で筋肉に影響を与えます。

3-1.筋肉量が減る

アルコールは、筋肉を分解する作用のあるコルチゾールというホルモンが増加するため、筋肉量が減ってしまいます。この場合、一生懸命筋肉トレーニングを頑張っても筋肉量はつきにくくなってしまいます。

3-2.筋肉が増えにくくなる

アルコールの慢性的な摂取をすると男性ホルモンの一つであるテストステロンの合成量が低下します。テストステロンは筋肉の成長を促進する効果があるため、アルコールの摂取により筋肉が付きにくくなるのです。


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3-3.筋肉が硬くなる

アルコールを摂取するとミネラルの一つであるマグネシウムを大量に消費します。マグネシウムは筋肉を緩める働きがあるため、マグネシウム不足により筋肉が硬直してしまいます。

4.筋肉に悪影響を与えない飲み方とは

筋肉に影響のないアルコールの付き合い方はどうすれば良いでしょうか、アルコールがテストステロンに及ぼす影響は、摂取した量によって異なることが分かっています。過去の研究では、体重1㎏あたり1gのアルコールであれば急性・慢性のいずれでもテストステロンには変化がないようでした。

しかし、これは60㎏の男性であればアルコール量60g。5%のビールで言えば1.2㍑に相当します。これは筋肉に影響はないとは言え多すぎます。

実際、私はこの研究より少ない量でもアルコールは筋肉に影響していると考えています。やはり、昔から言われている。1日に缶ビール350ml一本、もしくは日本酒1合程度が理想と考えます

5.まとめ

  • アルコールを大量摂取する方は、姿勢が悪くなり、不健康な瘦せ方をします。
  • アルコールは、コルチゾールの増加やテストステロンの減少により筋肉量を減らし、増やしづらくなります。
  • 筋肉量の維持のためにも常識的なアルコール摂取が望まれます。
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