認知症専門医がコーヒーを飲んでからの昼寝をお薦めする理由

認知症専門医がコーヒーを飲んでからの昼寝をお薦めする理由

私は、朝は5時に起床。6時30分からはトレーニングをしながら新聞を読んで、読書。7時30分からはブログを書いてから、午前の診察に入ります。診察中は殆ど息をつく間もありません。そのため昼食後には、すっかり疲れてしまいます。そんな状態でも、昼からの訪問診療と夕診は待ってはくれません。

そんな充実した毎日に欠かせないのが、昼食後のコーヒーと10分程度の仮眠です。この習慣のおかげで、午後からも頭も身体もすっきりして、仕事に取り組めます。今回の記事では、認知症専門医の長谷川嘉哉が、コーヒーを飲んでからの昼寝の効用をご紹介します。

1.昼寝の効用とは

実は昼寝には、すごい効用があるのです。

1-1.認知症予防

昼寝の習慣がある方は、アルツハイマー型認知症になりにくいと報告されています。具体的には、13時から15時の間に、15〜20分程度の昼寝をすると認知症のリスクが減らせるのです。

1-2.午後からの活動性を高める

短時間の昼寝は、午前中の疲れがすっきり取れ、その後の活動性が高まります。その結果、夜の睡眠もすぐに良質な睡眠導入につながり、安定します。ワシントン大学の研究班が発表した論文によると、入眠困難や中途覚醒、早期覚醒などで睡眠が不安定な人は、睡眠が安定している人に比べ、認知症を引き起こすアミロイドβの蓄積が5.6倍であると報告されています。

1-3.細切れや、摂り過ぎはかえってダメ

昼寝が良いと言っても、日中、時間も関係なく何度もウトウトするような「細切れ睡眠」は、かえって脳の活動を低下させ、夜間の不安定な睡眠につながるので避けてください。同様に、1時間以上の昼寝はかえって認知症のリスクを高めることが報告されています。

あくまで、認知症を予防する昼寝とは、「昼間の決まった時間に、20分前後」なのです。

2.コーヒーの効用とは

コーヒーにも多くの効用があります。

2-1.記憶力向上

アメリカのジョンズホプキンズ大学の研究では、コーヒーに含まれているカフェインは、眠気を覚ます作用だけでなく、記憶力も向上させることが報告されています。さらにこの効果は、長期的に継続することも研究結果で分かっています。


長谷川嘉哉監修の「ブレイングボード®︎」 これ1台で4種類の効果的な運動 詳しくはこちら



当ブログの更新情報を毎週配信 長谷川嘉哉のメールマガジン登録者募集中 詳しくはこちら


2-2.認知症の予防

コーヒーは記憶力だけでなく認知症の予防にもつながります。何とコーヒーには、アルツハイマー型認知症の原因の一つとされるアミロイドβの生成を抑える働きがあるのです。具体的には、1日3杯以上のコーヒーを飲むことで認知機能低下のリスクを軽減させるのです。

3.昼寝前のコーヒーが効果的な理由

紹介したような効果の昼寝とコーヒーを組み合わせると、効果は抜群になります。

3-1.香りによる副交感神経刺激

コーヒーの香りを嗅ぐと、心地よく、気持ちが休まりませんか? 臭いを感じる臭神経は、脳神経の中で唯一、直接大脳につながっています。そのため、コーヒーの香りを嗅ぐと、短時間で副交感神経を優位にして、催眠作用を促します。

3-2.カフェインによる交感神経刺激

一方で、コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を刺激することで、眠気をなくし、気持ちをスッキリさせます。但し、この効果は、コーヒーを飲んですぐに現れるわけでなく、20~30分程度の時間が必要です。

3-3.短期間の昼寝の覚醒時にダブル効果!

短時間の昼寝は、「コーヒーの副交感神経の刺激と、交感神経の刺激の時間差」を有効に使う手立てなのです。つまり、コーヒーの香りを嗅いだ瞬間からリラックスできることで、昼寝に誘われる。この場合の昼寝は20~30分ですから、目が覚めた時には、コーヒーの交感神経作用が効き始めているのです。

つまり、コーヒーを飲んだ後の短時間睡眠は、睡眠による休養効果とカフェインの覚醒効果のダブル効果が期待でき、その後の、仕事の効率が実感できるのです。

4.まとめ

  • 昼間の決まった時間に、20分前後の昼寝は、認知症を予防します。
  • 1日3杯以上のコーヒーを飲むことで認知機能の低下を予防します。
  • コーヒーを飲んでからの、短時間睡眠は、睡眠による休養効果とカフェインの覚醒効果のダブル効果が期待できます。
error: Content is protected !!
長谷川嘉哉監修シリーズ