「本はあとがきでファンを作る」と言われています。今回、ご紹介する「英語力・知識ゼロから始める! 【エル式】 米国株投資で1億円」は、いかにも最近の投資ブームに便乗したような題名です。
しかし、この著者は違います。著者は、あとがきで「これまで触れてこなかった事実があります。それは、発達障害を抱えた息子がいること。彼の生活・学習をサポートする必要があったことも、早期リタイアした理由なのです。」と述べています。
著者には、早期リタイアしなければいけない家庭の事情があったのです。そのために、自ら考え、それを実践した本なのです。自らの利益のために、顧客に「ぼったくりクソ商品」を売り続ける金融機関の人とは、その思想が違うのです。内容の一部を紹介します。
- 私がすすめる米国株投資の基本は、デイトレーダーのように年がら年中パソコンの前に張りついて短期売買を繰り返すようなスタイルではありません。一度買ったら長く保有し続ける「バイ&ホールド」の中長期投資
- 増配が途切れないのは、企業の基礎体力にあたる「財務基盤」が盤石で、危機に対応する余力が十二分に備わっている証拠
- 日本企業は米国企業と比べて収益性が低すぎる
- アメリカでは企業の「選択と集中」がはっきりしており、生産性と収益性が低く、競争力のない企業は株式市場からの退場を余儀なくされる
- 代表的な株価指数である「日経平均株価」と「S&P500」の銘柄の入れ替え率の違い。日経平均株価を構成する225銘柄のうち、入れ替わるのは1年あたり1〜2社。米国のS&P500では、1年あたり 20 社前後が入れ替わっている。
- 個人投資家が中長期で利益を上げるなら、不透明で新陳代謝も遅い日本の株式市場より、透明性が高くて新陳代謝も早く、より投資環境が整っている米国株式市場での投資を考えるべき
- ニューヨーク・ダウも1980年代から現在に至るまで、少なくとも4回の大暴落を経験している
- 米国市場が他の市場と大きく異なるのは、暴落を何度経験しても異次元の回復力を見せている点です。収益性と成長性に富んだ企業が多く集まっているため、いち早く世界中からお金が集まってくる
- 私が子どもの頃には、アメリカの総人口は約2億人と教わったものですが、現在はおよそ3億3000万人に増えている
- ETFだけではなく、個別株投資もぜひ行ってほしいと考えています。その理由は2つあります。 第1の理由は、 選び方によっては、個別株投資のほうが米国株ETFよりも高い運用利回りを期待できるから。第2の理由は、 ETFよりも個別株に投資したほうが、米国株投資が〝わが事〟となり、より自分に関係深いものだと思えるようになるから
- 円高・円安による為替リスクが心配ですが大丈夫でしょうか? その心配より、円以外にドルで資産を持つことのほうが大切
- アメリカが国家戦略として国民に投資を推奨しているのは、投資マネーが株式市場に入ると株価が上がり、それが財産所得の増加につながり、さらなる投資を呼び込むという好循環が生まれることを期待してのこと