テレビや新聞等を見ていて、世の中には「年商」と「年収」の違いを理解できていない人がいることに気が付きます。テレビ番組でタレントが、“若手経営者の年商が1億円”と聞いて驚いているシーンを見ると、経営をしているものからすると滑稽です。しかし、驚いているタレントに同調している出演者を見ると、さらに驚きです。人生で「年商」と「年収」の違いを教えてもらう機会は、殆どないのでやむを得ないのかもしれません。
多くの方はご理解いただいていると思いますが、、あいまいな方は是非この機会に知識を整理しましょう!例えば、「年商1億円」、「年収1億円」すごいのはどっちだと思いますか?答えは「年収1億円」です。「年商」というのは、あくまで売上金額の事で、利益(年収)ではありません。年商1億円のビジネスの利益率が20%だとすると、利益(年収)は2,000万円です。よって、「年収(利益)1億円」の方がすごい事になります。ちなみに、どれだけ年商が多くても経費がそれ以上になれば、赤字になる場合もあります。年商が10億円でも経費が11億円なら赤字になるのです。ちょっとした表現の仕方で意味が全然違ってくるので、ニュースなど見るときには注意が必要です。特に若い女性は、男性経営者の、”年商10億“という言葉に騙されてはいけません。冷静に、”年収はいくら?“かを知ったうえでのパートナー選びが重要です。
しかし、経営者であってもこの点を理解していない人がいるので驚きです。とくに個人事業主が陥りがちのワナは、開業当初はこのへんが理解できなくても、年商1,200万円を超えたあたりから有頂天になり、経費で無駄なものを買い込んでしまうことです。年商1,200万円だと利益率50%と高くても年収600万円にすぎません。その状況で経費で無駄使いをすると、ちょっとした外的要因の変化で破綻してしまうのです。
その結果が、「100社が同時に起業したとして、10年後に残っている会社は5社。うち3社は、どうにかこうにか食っていけてる状態。結局、順調に伸びているのは、100社のうち、2社だけ。」ということになるのでしょう。
やはり、お金の教育は幼少から時間をかけて行うことで、“お金の知恵”を持たせることが必要です。そうすれば、マスコミの報道に踊らされることもなく、時に“悪徳業者に騙されたと、嘆き悲しむ”ことも減っていくのではないでしょうか。