他人への手の差し伸べ方は難しいものです。過剰に差し伸べても本人のためになりませんし、結果も出ません。そのため経営のアドバイスでは、高いコンサルフィーで、受け手の向上心を高めていただいています。やはり身銭を切らないと真剣になれないようです。
しかし患者さんからは、コンサルフィーをいただくわけにはいきません。そのため、「ヘルプでなくサポート」を基本的なスタンスとしています。ちなみに、ヘルプとサポートの違いは、魚を釣ってあげるのが「ヘルプ」。ともすれば、依存心を植えつけてしまい、自立を妨げることになります。それに対して、魚の釣り方を教えるのが「サポート」。つまづいている人に、何らかの助言やヒントを与えて、もう一度自分で歩けるようにしてあげることです。
私には3人娘がいます。本人たちがどうであれ、世間から見れば開業医の“馬鹿娘”です。このことを常に言い聞かせています。恵まれた環境に安住して欲しくないため、「世の中みんなが君たちの不幸を願ってる」とまで伝えています。そこから、彼女らがどのような行動をとるかは彼女ら次第です。まさに娘に対しても、「ヘルプでなくサポート」です。
先日、脚本家のSOさんが素晴らしい言葉を教えてくれました。「最大の応援は助けに行くのではなく、どんどん進み、その背中を見せること」。どんどん進んで、娘たちに背中を見せていきます。