東海地方に住んでいると、いつ地震が起きてもおかしくないという雰囲気で生活をしています。そのため今回の『首都防衛』の内容には改めて緊張感が高まりました。歴史上、今度おこる地震は首都直下型地震と南海トラフ地震とさらには富士山噴火も加わる「恐怖の大連動」の可能性があるとのこと。少なくとも知識を知ったうえで、平時に備えることの重要性が理解できる本です。多くの方に一読をお薦めします。
- 元禄から宝永年間に続発した巨大地震と富士山の噴火は何を物語る
- 避難所で生活する人の数は自宅の備蓄がなくなる発災4日後から1週間後にかけてピーク
- 大地震が首都を襲った4年後、静岡県から宮崎県にかけて最大震度7の南海トラフ巨大地震が発生した。
- 政府の地震調査委員会が2022年1月、南海トラフで今後 40 年以内にM8~9級の巨大地震が発生する確率を引き上げた
- 南海トラフ巨大地震と首都直下地震の「連動」を偶然と見てはならないことは歴史が証明
- 火山灰は直接死傷する可能性はほとんどないものの、わずかでも堆積があれば交通機関は麻痺し、出勤はおろか移動することも困難
- 路面にわずか0・5センチの降灰があるだけでスリップする車が続出する。 雨天時に3センチも積もれば二輪駆動車の走行は困難となり、四輪駆動車であっても 10 センチ以上で通行は難しい。物流は停滞し、緊急車両の走行も困難
- 電力は、降灰中は火力発電所の発電量が低下し、6センチ以上で停止。 10 センチ以上の降灰に雨が降れば倒木で電線が切断されて停電が発生
- 東海から九州にかけて巨大地震が生じれば、経済被害は2011年3月に起きた東日本大震災の10倍超
- 「内陸直下の地震」が怖いのは、前兆もなく突き上げるような縦揺れが始まる点にある。「ドドーン!」と激しい縦揺れが起きるのとほぼ同時に大きな横揺れが続き、家が倒壊するまでの時間はわずか
- 日本で初めて震度7を観測した「内陸直下の地震」の阪神・淡路大震災では、地震を直接の原因として死亡した約5500人のうち8割は、倒壊した住宅の下敷きとなった窒息・圧死
- 全壊する建物の約8割は1980年以前の「旧耐震基準」に基づく古い住宅
- 下町の『揺れやすい軟らかい地盤』と山手の『硬い地盤』を比べると、揺れ方が倍も違う。
- 現代では「通電火災」は巨大地震発生時の大きな課題
- マンションのドアは防火扉なので、必ず閉めて避難すること。
- 火災は風下に向かって扇状に広がっていくため、逃げる方向は風下を避け、火災の横方向「風横」に出てから風上方向に逃げることが大事
- 地震で倒壊した建物で約3万5000人が生き埋めとなり、その8割近くが家族や近所の人々に救出された(うち8割生存)。
- 2012年3月制定の「帰宅困難者対策条例」に基づき発災時にはむやみに移動せず、職場や学校などで3日間待機するよう
- 必要となる3日分の水や食料などの備蓄が求められる。水は一人あたり1日3リットルで計9リットル、アルファ化米や乾パンなどの主食なら一人につき9食分、毛布は一人1枚が目安となる。
- 大地震の襲来時は通話できない、ネットが使えない」という前提で、事前に避難先を話し合い、共有しておくことが重要
- 災害用伝言ダイヤル」(171) の活用が考えられる。災害発生時、通信がつながりにくい状況になった場合に提供される声の伝言板だ。「171」をダイヤルし、被災した人の電話番号を入力してメッセージを録音する。再生するときも「171」で、同じ電話番号を入力すれば伝言を知る
- 1981年の改正では、震度6に達する程度の地震でも人が亡くなるような全壊はしない「新耐震基準」に強化
- 超高層ビルやタワマンが最も苦手とするのが「長周期地震動」 南海トラフ巨大地震は一体、何が怖いのか。真っ先に挙げられるのは国民の半分が被災する「異次元の被害レベル」
- 過去の南海トラフ巨大地震の発生は、歴史の転換期と重なる。前回は1944年 12 月に南海トラフの東側で「昭和東南海地震」が発生し、そのわずか 37 日後に、内陸直下の地震「三河地震」を引き起こした
- 大八車が被害を拡大させた。家財を持って逃げないという江戸の教えを忘れてしまった。現代で言えば、車で逃げてはいけない。車は可燃物で、渋滞で玉突きになれば逃げ場を失う
- 自宅で1週間生きるために必要なのは水、食料、トイレ 忘れずに置いておきたいのは「卓上のガスカセットコンロ」「密閉袋」「風呂の水」の3点セット