【お薦め本の紹介】日本銀行 我が国に迫る危機

【お薦め本の紹介】日本銀行 我が国に迫る危機

最近は、「国債の残高が増えても大丈夫」といった論調が不自然に増えてきています。確かに貸借対照表で考えれば大丈夫のような気もしますが、日本銀行の信用という点を考えると不安です。個人的にはかえって「本当に大丈夫?」と思っています。少なくともそんな日本銀行が発行する「円」で全財産を持つ勇気はありません。

  • 世界第3位の経済大国であるはずの日本の財政運営が、「下手をすればこの先、行き詰まりかねない」との警告を英国の経済誌『The Economist』は発している
  • 日銀総裁といえば、これまでの交代時にはしばしば、日銀出身者と財務省出身者とが激しい〝奪い合い〟をするなかで時の政権が指名を決定するさまを私たちは見せられてきました。ところが今回はどうも様子が違ったようです。選考プロセスは当事者以外の私たちには知る由もありませんが、〝奪い合い〟とは逆の事態となり、かなり難航していたのでは
  • 日銀は表向きは様々な他の〝理由〟をつけてはいますが、本当のところは、他の主要中央銀行のように、機動的に金利を引き上げることができなくなってしまっている。
  • 日銀はこれまで、これほど大規模な異次元緩和を、これほどの長期間続けてきてしまった結果、ひとたび利上げ局面に入れば、中央銀行としての財務運営はたちどころに悪化し、赤字に転落するのが確実な状態にすでに陥っている
  • 大幅な債務超過状態が、数年とか 10 年という程度の期間では済まず、数十年単位で長期化する可能性すらあるのです。一国の中央銀行がそうした状態に陥る、ということはその国の通貨が信認を失うこと、言い換えればその国自体が、世界の他の国々から、経済取引を行う相手として信用されなくなる
  • 日銀が本来必要な利上げを怠れば、赤字になることも債務超過になることもないため、私たちは税金で日銀の赤字を補塡せずに済みますが、その代わり、インフレが放置されてしまうことになり、私たち国民にはいわば〝インフレ税〟の形で同じ重い負担がつけ回されることになります。
  • 利上げをすればするほど、日銀の債務超過幅は大きくなるため、それを避けようと、物価情勢からすれば本来必要なはずの利上げを日銀が怠れば、最初は大したレベルではなかったはずのインフレがあっという間に進んで、抑え切れなくなってしまう可能性すらある
  • インフレが相当に進行しているのに、中央銀行が、自らの債務超過幅がさらに悪化することを避けようと、十分な利上げを行わなければ、インフレはさらに進行します。
  • わずか1%の水準に短期の政策金利を引き上げるだけで、日銀は今のままでは一気に赤字に転落するのです。しかも、その状態が2~3年程度継続するだけで、日銀はほどなく、〝単年度の赤字〟レベルを超え、バランス・シート上の債務超過状態に転落する
  • 一国の中央銀行の財務の大幅な悪化やその長期化は、当該国の財政運営とも相まって、国家の信用、通貨の信認を大きく揺るがしかねない事態です。その評価は、当事者である当局者がどう言い張ろうと、最終的には国際金融市場、世界の市場参加者が決めるもの
  • マイナス金利政策によって日銀は、異次元緩和のコストを、民間銀行経由という表面的には国民にはわかりにくく、認識しにくい形で、私たち国民にすでに転嫁し始めている
  • 我が国では、異次元緩和の着手から 10 年近くにもなろうとしているのに、当事者である日銀は出口問題について口を閉ざし続けています。
  • 1946(昭和 21) 年 11 月の財産税法公布よりも半年以上前の同年2月 17 日、一連の国内債務調整断行策の皮切りに、預金封鎖および新円切り替えが実施されていた
  • 外国為替市場での自国通貨の急落が、金融危機の引き金になることは、これまでの国際金融市場や各国の幾多の経験が物語っている
  • 我が国では、〝不公平〟に対するデモ行進は起こらなくても、その代わり、〝不公平〟を感じている層が正直に行動した、行動せざるを得なくなった結果が、〝国全体としての経済活動の低迷〟という形で現れている
  • 我が国の長期金利の水準は日銀が決めるのではなく、世界中の市場参加者の見方を反映する形で、市場が決めることになる
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