新型コロナワクチンの話題で、忘れられがちですが、インフルエンザワクチンの季節がやってきました。私は、以前からインフルエンザは風邪とは異なり、極めて重篤なため65歳以上の高齢者や、その介護者には積極的にインフルエンザワクチンを勧めてきました。詳しくは、以下の記事を参考になさってください。
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1.10月の供給量が6割
そんなインフルエンザワクチンですが、今年は大変なことが起こっています。新型コロナウイルスの流行に伴うワクチン製造用資材の世界的な不足などで、供給が遅れているのです。そのため、厚生労働省は、「今季のインフルエンザワクチンについて、接種が始まる10月頃の供給量が昨季の6割程度になるとの見通し」を示しました。
2.予約は対象を限定
実際、当院でも通常の11月の接種時期には、「例年の70%程度しか供給されない」と業者から連絡を受けました。その数は、過去の実績等から考えても、とても足りるものではありません。当院では、かかりつけ及び在宅の高齢者を優先して予約を受けることにしました。
3.供給時期は遅れるが、最終的には例年通り供給
もちろん、このことは、当院だけでなく日本全国どこも同じと考えられます。そのため、65歳未満の方や、過去に接種したことのない方の予約は相当困難と思われます。
しかし、ここで決して焦って、パニックにはならないでください。厚生労働省の通達では、ワクチンの供給は遅れますが、最終的には、例年と同程度は供給されるとのことです。
4.医師からのお願いとは
そこで皆さんにお願いです。
- 65歳未満の方は、高齢者や基礎疾患のある方に予約をすこし譲ってあげましょう
- 仮にインフルエンザに罹っても、健康な方であれば、抵抗力もありますし、治療薬もあります。
- インフルエンザが流行る年は、ゴールデンウイーク頃まで感染がおこります。年明けの1月以降にワクチンを打っても意味があります。
若くて健康な方は、予約を焦らず、年明けにでもゆっくり接種しても有効であることをご理解ください。決してパニックになって、医療機関の窓口で理不尽なクレームをつけることはご遠慮ください。