先日、自分の患者さんがとてもお元気そうになられました。診察しても、明らかな改善所見は認めません。とくに薬も換えていないので、詳細を伺うと、快調の原因は「快便」とのことです。具体的には、岐阜県山岡町の名産である寒天にオリゴ糖を加えて、夕食後に食べているとのことでした。下剤などに比べ、とても自然に快便状態になっているとのことでした。
岐阜県山岡町の寒天は、海藻の一種である国産天草100%で、食物繊維含有率74%で水溶性植物繊維と不溶性植物繊維の両方を含みます。これらの豊富な植物繊維が水分を吸収して膨らみ、便の量を増やして排便を促します。なおそれ以外にも、高血圧、糖尿病、コレステロールを低下させる働きも認められています。結果として血流も改善し動脈硬化の抑制まで期待できる優れものです。
さらに、オリゴ糖を加えることで相乗効果が得られます。オリゴ糖は、単糖がつながった糖質の一種です。腸内で善玉菌のエサになり、善玉菌を増やすことで、腸内環境を整えます。豊富な繊維を含む寒天とオリゴ糖はまさに理想的な組み合わせなのです。
今回の患者さんで改めて学んだことがあります。医師は、患者さんの病気のことだけを考えがちです。しかし、人間の日常である排便をコントロールするだけで、元の病気まで改善させてしまうのです。やはり人間の健康の基本、「快食・快眠・快便」のようです。なお排便のコントールと言っても安易に下剤を使うのでなく、山岡寒天とオリゴ糖のように自然な食材を使うこともより重要であるようです。