認知症外来をやっていて感じることがあります。
ある程度
年齢を経てからは
“絶対は絶対ないです”
外来患者さんが
良く口にされる表現があります。
『毎日、薬を忘れずに飲んでいるのですが
薬が余っています』
カルテを確認して
処方日数と
診察の間隔を
確認しても
飲み忘れがなければ
余る訳はありません。
患者さんに優しく
“飲み忘れていませんか?”と確認すると
強い口調で
“薬の飲み忘れは絶対ありません”
挙句には、
怒りだす方さえいらっしゃいます。
実は、薬の飲み忘れは
認知症の初期症状の一つです。
つまり前頭葉機能の低下が原因で
引き起こされるのです。
そのうえ
自身の間違いを認識することができずに
最後は
感情のコントロールができなくなって
怒ってしまう。
結構、迷惑です。
しかし、初期の段階では
患者さんにお話しして
理解していただくことで
対応を改善することができます。
『絶対は絶対ありませんからね・・
そして、かっとしたら
深呼吸をしてください』
とお願いします。
これだけで穏やかになる方も
結構いらっしゃいます。
もちろん
これらが理解・実行できなければ
認知症が進行したとも言えるのです・・