【お薦め本の紹介】当たり前でないことが分かる『日本の死角』

【お薦め本の紹介】当たり前でないことが分かる『日本の死角』

日本人として、「当たり前」に思っていることが、データを分析すると結構「当たり前でない」ことが分かります。まさに、題名通り「日本の死角」といった内容です。

  • 科学的な方法できちんと比較をしてみると、日本人は、「世界でいちばん個人主義的」という定評のあるアメリカ人と比べても、特に集団主義的というわけではない
  • 地元を去る若者が減ったのは、端的にいえば地方が「豊か」になったことが大きいのではないか。
  • かならずしも地方から出る必要がなくなるなかで、都会に向かう者は学歴や資産、あるいは自分自身に対するある種無謀な自信を持った特殊な者に限られている
  • 地方では「地域カースト」とでも呼べるような上下関係が目立つようになっている。移動の機会の減少は、それまでの人間関係を変え、ちがう自分になる可能性を奪う。
  • 「資産」や自分の才能に対する特別の自信を持たない人が、わざわざ上京することをためらうのも当然
  • 米国の公教育というのは、貧しい州に対して手厚い支援をすることなく、その資源を自分たちの州の教育のためだけに使用したうえに成り立っている
  • 富裕層が多く住む学区は、高い教員給与を支払い優秀な教員を多く集めることができるが、貧困層が多く住む学区は、学校が荒れていることが多いため労働環境が劣悪になるだけでなく、支払われる給与も低くなっている。
  • 「貧しいけれど平等」な日本の教育システム
  • 能力のある若者に適切な権限を与え、労働時間をまともなものに変更し、女性の給料を男性とおなじにし、すでに未来のない国内戦から撤退して、戦場を中国に移せ、と言いたい
  • 今日の若者には、上司や仲間から「見られているかもしれない不満」よりも、「見られていないかもしれない不安」のほうが強い
  • ゆとり世代の若者たちは、やる気の足りない人間というわけではなく、人間関係に対して過剰なほど気遣いを示す人々
  • いじめの加害者たちは学校で集団生活をおくりさえしなければ、他人をどこまでもいためつけ、犯罪をあたりまえに行うようにはならなかったはずである
  • ある中学校では、目の前で生徒がいじめられているのを見て見ぬふりしていたセンセイたちが、学校の廊下に小さな飴の包み紙が落ちているのを発見したら、大事件発生とばかりに学年集会を開いたという
  • 社会では名誉毀損、侮辱、暴行、傷害、脅迫、強要、軟禁監禁、軍隊のまねごととされることが、学校ではあたりまえに通用する。
  • 社会であたりまえに許されないことが、学校ではあたりまえに許されるようになる。
  • 日本の少子化の要因は、結婚した夫婦が子どもを多く産まなくなっていることにあるのではなく、結婚しない人の割合が増加したこと
  • 結婚を目標やゴールと考える「ドラクエ人生」、結婚するかどうかは場合によると考える「ポケモン人生」を分けているのが特徴的
  • 学歴や収入などの社会的地位に男女の不平等が存在する社会では、上昇婚の規範や風習が存在すると、多くの人が結婚できる確率が高くなる
  • 下降婚の多い国では出生率が高いという傾向が、統計上も確認できる
  • 日々の生活で、家事が行き届いていない今に不満があるからこそ、ほかの人の「ていねいな暮らし」ぶりに腹を立てるのである。
  • 「死後離婚」とは、配偶者の死後に、「姻族関係終了届」を出すことと定義
  • 亡くなった配偶者とは離婚したわけではないので、相続の権利、遺族年金をもらう権利もそのまま残って
  • 妻の実家が「娘だけ」という夫婦で、妻が実の両親と一緒の墓に入ることを選択するケースも増えてきた。夫は、自身にも実家の墓があるので納得しているよう
  • 私たち日本人は、殴る蹴るなどの暴力には敏感だが、ネグレクトや拘束など静かな虐待には鈍感
    Amazon紹介ページ
長谷川嘉哉監修シリーズ