【お薦め本の紹介】安倍晋三 回顧録

【お薦め本の紹介】安倍晋三 回顧録

この回顧録をよむと、この国は、安倍晋三元総理という貴重な人材を失ってしまったことを感じます。我々が、マスコミの報道だけでは知ることができなかった、彼の業績、世界からの評価を知ることができます。長い本ですが、日本人として一読をお薦めします。

  • 総理大臣とは、溶けた鉄を鋳型に流し込めばできる「鋳造品」ではなく、たたかれて、たたかれて、やっと形をなす「鍛造品」である
  • 「歴史とは解釈」なのです。いくつもの解釈があり得るのです。そのためにも関係者に反論の余地を残しておくことが肝要
  • 安倍内閣は極めて特異な内閣でした。第1次政権では、教育基本法の改正や防衛庁の省昇格、憲法改正の手続きを定めた国民投票法の制定など 50~60 年来の懸案を処理しました。第2次政権では、特定秘密保護法の制定、集団的自衛権の限定的容認と安全保障関連法の整備、テロ等準備罪の制定などいずれも国論を二分する課題に取り組みました
  • 秀逸は小池百合子東京都知事評です。「小池百合子ジョーカー」説です。ジョーカーのカードなしでも、トランプの多くは成り立つが、ジョーカーが入ると特殊な効果を発揮し、スペードのエースよりも強くなる。彼女は自分がジョーカーだということを十分認識して行動している
  • 厚労省の医系技官は、断定的なことは一切言わない。厚労省幹部からは、絶対に責任は負わないぞ、という強い意思を感じました。
  • 厚労省にも気の毒な面はありました。検査の情報を持っていないのです。検査を行う保健所は自治体の所管
  • 薬事承認の実質的な権限を持っているのは、薬務課長です。内閣人事局は、幹部官僚700人の人事を握っていますが、課長クラスは対象ではない。
  • 悪評も評判のうちで、再生回数はすぐさま100万回を突破しました。批判した人たちには、それだけの再生回数の動画をあなたは撮れるんですか、と言ってやりたいと思ったぐらい
  • 財務省の発信があまりにも強くて、多くの人が勘違いしていますが、様々なコロナ対策のために国債を発行しても、孫や子に借金を回しているわけではありません。日本銀行が国債を全部買い取っているのです。日本銀行は国の子会社のような存在ですから、問題ないのです。信用が高いことが条件ですけど
  • 首相にふさわしいか、ふさわしくないかを考える時、私は、国を守る最後の砦である自衛隊の最高司令官が務まるかどうか、が重要だと思うのです。
  • 日本の首相は、野党ではなく、党内抗争で倒されるのです。
  • 民主党政権の間違いは数多いが、決定的なのは、東日本大震災後の増税だと思います。震災のダメージがあるのに、増税するというのは、明らかに間違っていた
  • 世界中どこの国も、中央銀行と政府は政策目標を一致させています。政策目標を一致させて、実体経済に働きかけないと意味がない。
  • 1ドル 80 円前後という民主党政権時代の行き過ぎた円高は、安倍政権で100円超になっていたわけです。
  • 外交で重要なのは、ルールづくりなんです。今までは欧米にルールをつくってもらっていた。日本は優等生で、ルールに従って言うことを聞いていた。でも勝負はルールづくりに参加することなのです。
  • 自衛はすなわち『他衛』、他衛はすなわち自衛という関係がある
  • 日本の領土を守るために米軍が攻撃を受けた時、こちらが米軍を助けなければ、その瞬間、日米同盟は終わり
  • 民主党も政治主導を目指したけど、彼らはその意味を分かっていませんでしたね。政策の細部まで、いちいち政治家が口を出すことが、政治主導だとはき違えていた
  • 日本人の面白いところは、現状変更が嫌いなところなのですよ。だから安全保障関連法ができる時に、今の平和を壊すな、と反対していても、成立後はその現状を受け入れる
  • 民主主義国家は選挙で交代しますが、独裁政権は、ある日突然、倒されるわけです。権威主義国家の指導者のプレッシャーの大きさは、我々の想像を超えている
  • 中国の不透明な投資が、実は欧州の国益を害しているということにだんだんと各国が気づいていく
  • ロシアの外交当局は基本的に中国と仲が良い。私が「中国は不良ですよ」と言っても、ロシアも不良だから、不良仲間は大切にするという感覚なのかなと思いました
  • アベノミクスは失敗だ、と言いたがる人がいますが、では、機動的な財政出動や異次元の金融緩和を行わずに、円高や株安で低迷していた経済をどう立て直すのですか、ということですよ。経済状況は100点満点ではなかったかもしれない。だが、 60 点や 70 点だとしたら、それを失敗と言うのですか?
  • 私は「中国との貿易が重要なのは分かるが、皆さん、片目をつぶるのはいい、しかし両目をつぶるのはダメだ」と言った
  • 大国意識だけで大きな顔をしている国は、世界中にいっぱいあるのです。世界第3位の経済力を誇る日本が、ちまっとしている必要はありません
  • 安倍内閣は、若年層の支持が非常に高かった。その理由は雇用、特に就職の環境を改善したことだと思います。
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長谷川嘉哉監修シリーズ