富永喜代先生は、私の著者仲間の一人です。医師として優秀であるだけでなくバイタリティあふれ、多方面で活躍されています。その中でもYouTubeチャンネル「女医 富永喜代の人には言えない痛み相談室」は登録者数が16万人を超える超人気番組です。この番組や今回ご紹介する本の内容は、少し恥ずかしい、でもとっても大切なお話です。本の内容も極めて真面目な内容です。興味本位で読むのではなく、真面目に読まれることをお勧めします。
- 私たちの腟は、デーデルライン桿菌 という常在菌(乳酸菌の一種で善玉菌)によって守られています。
- この菌は腟内を常に酸性(pH値3・8~4・5)に保ち、外からの雑菌の混入を防いでくれる役割があります。これを自浄作用と呼びます。 デーデルライン桿菌が減少し、腟内がアルカリ性に傾いて自浄作用が弱まった結果、ニオイやかゆみの原因 となるのです。
- 2014年に「GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)」という新たな概念 として、提唱されるようになりました。GSMの症状は主に3つに分かれます
- 性器症状………腟の乾燥感、かゆみ、ヒリヒリした灼熱感、ニオイ
- 下部尿路症状 …頻尿、尿もれ、排尿困難
- 性交痛………… オルガズム障害、セックスの挿入前後痛、性交後出血
- 顔は「第一の顔」、デリケートゾーンは「第二の顔」 といえる。日々のお手入れが内面からの自信にもつながります。
- デリケートゾーンに吸湿性の高いおりものシートを常につけっぱなしにすることはオススメできません。更年期以降は、ただでさえ分泌物も減り、潤いが不足しているので、おりものシートを装着することにより腟の乾燥が進んでしまい、ニオイも悪化する可能性があるからです。また乾燥からかぶれ、ヒリヒリ感、かゆみの引き金になることもあります。対処法としては、外出時にはつけていても、家に帰ったらすぐにショーツから外すこと。 家では新しいショーツに穿き替えるのもよいでしょう。腟は湿っているのが健康な状態です。おりものシートは、 短時間装着がオススメ
- 血圧、動脈硬化、骨粗しょう症…… 更年期になる前の女性が男性に比べて生活習慣病になりにくいのは、エストロゲンによって守られているから、
- 更年期の「更」とは、「かえる/かわる/替わる/改める」などの意味を持つ漢字です。つまり 更年期は「変わる、変える」という意味。 決して「終わった」という意味ではないのです。
- 更年期の不調の多くは、卵巣でエストロゲンが作られなくなることが原因です。そこで 足りなくなってきた女性ホルモンの必要最少量を補おうとするのが、 女性ホルモン補充療法(HRT) です。
- ピルに含まれているエストロゲンの強度は、HRTの4倍以上です。このため閉経後も長期間ピルを継続使用すると、乳がん、血栓症などのリスクが増えてしまいます。低用量ピルは閉経前、HRTは 40 代や 50 代、閉経後の女性が対象
- 機能維持という面から考えると、1か月に2回は定期的にセックスをしたい ところ。セックスは相手あってこそのもの。 なかなか機会が持てない場合は、セルフプレジャーによって、機能を落とさないことが重要になってくる
- 物理的には痛いはずのセックスを人が気持ちよく感じるのは、それを上回る快楽物質が出ているからです。つまり「種の保存」のために、セックスにおける快楽が、人の身体に仕組まれている
- 中高年以降のセックスを考えるにあたっては、まず「セックス=挿入」の概念を捨てること です。その発想転換の一助となるのが「アウターセックス」です。アウターとは「外側の」という意味。つまり、 愛撫、抱擁、キスなど腟への挿入のない性的刺激 のことを指します。