【お薦め本の紹介】三流シェフ by 三國清三

【お薦め本の紹介】三流シェフ by 三國清三

久々に強烈なインパクトを感じた本に出会いました。自分自身も57歳になり、昔ほどの意欲・情熱・渇望感が減ってきていたのですが、背筋が伸びた思いです。人生まだまだです。超お薦めです。

  • 料理店というものは、お客様に育てていただくものだと思う。料理を作るのはぼくたち料理人だけれど、謙遜ではなく、お店を育てるのはお客様たち
  • 店は終わるけれど、料理人を引退するつもりはない
  • うちくらい貧乏な家は小学校でももう珍しくなっていたけれど、戦中戦後のあの苦しかった時代を大人たちはまだ憶えていた。だからぼくに親身に接してくれる大人がたくさんいた
  • キヨミ、おまえには学歴はないけど、志はみんな平等なんだ
  • 「大波が来たら逃げるな。船の真正面からぶつかってけ」  逃げようとして、波を横腹に受ければ船は沈む。大波が来たら、 舳先 を真っ直ぐ波に向けて思い切り漕ぐしかない
  • 人生にはどうにもならないことがある。どうにもならないとわかったら、さっさと別の道を探した方がよい
  • 子どもにあんなすがりつくようなキラキラした目で見られたら、なんとかしてやりたいと思うのが普通の大人
  • 働くのはちっとも苦じゃない。こればっかりは父のおかげだ。あれしろこれしろと言われる前に、自分から動くことも身についていた。海の上では、言われてから動いたのでは遅い。なにも言われなくても父親の動きの先を読んで、自分がしなきゃいけないことをする。言われたことをするだけなら誰にでもできる。仕事を手伝うというのは、本来はそういうことでは
  • 「十年修行しなさい。そして働いて得た収入は自己投資しなさい。美術館に行き、音楽を聴き、なによりもいいレストランで食事をしなさい。辛抱して勉強しなさい。十年後には、必ず君たちの時代が来ます」  総料理長はそう言って、ヨーロッパに送り出してくれた
  • 鍋はぼくの幸運の女神だ。おしかける、洗い物をする、休日も働く。子どもの頃から、同じようなことを繰り返して
  • 苦労する覚悟さえあれば、どこかに居場所は見つかる。見つけた場所で、一所懸命にやれば道は開ける。ほんとに開けるとは限らないけど。自分にそれしかやれることがないなら、楽観的にやり続けるしかないと思っている。 みんながやりたくないことを、機嫌良くやることだ。
  • もしもなにかやりたいことがあって、どうしてもそれができなかったら、その世界の鍋を探してみることだ。
  • 武道家は一度手合わせすれば相手の実力がわかるというけれど、料理人も包丁を握らせれば実力は一瞬でわかる
  • 日本人は遠慮が美徳の民族だから、そうなるのかもしれない。だけど彼らの感覚からすれば、自己主張しないのは自分に自信がないと言っているのと同じだ。
  • フランス人のようにフランス料理を作るのはやめる。ぼくは日本人として、フランス料理をつくる
  • フランスには十八軒の三つ星の店があった。その十八軒の店には、一つだけ共通点があった。どの店も絶対に他の店に似ていないという共通点
  • こうして振り返ると、不思議なくらい恵まれた人生だった。幼い頃は貧乏な生まれを恨んだこともあったけど、結局のところ貧乏もぼくがここまで辿り着くには必要な試練だった
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