この本を読んで驚いたことは、哲学書に出てくる「観念」という奥深い言葉も、英語では「アイデア」と訳されるということです。信念も観念も理念も、ただの「アイデア」だったのです。酒場での軽い会話をの覗き見ていいるうちに、奥深い「アイデア」があふれ出す不思議な本です。
- アイデアはあまりにも大きな言葉でもあります。すべての観念、理念、概念、思想、学問、体制などは基本的にアイデアであり、人から出てきたもの
- アイデアとインスピレーションは空気中を漂っていて、選ばれた者だけがそれに気づき、まるで神託のように受け取って自分のものにするだけでいいのだという神話です。もしかすると、その創造性の神話が、私たちの大部分を創造性から遠ざけているのかもしれません
- どんな分野でも創造的な成果を上げるには、とにかく真面目に、ひたむきに基本を学ばなければなりません。そうやって初めて、研究対象をほかの角度から見つめることができる
- 狂った芸術家や科学者たちは、狂気に身を委ねた人たちではありません。彼らは自身の仕事にひたすら没頭し、よりよい選択のために努力した人たちだった
- 人々は天才をロマンチックな存在にしたがります。そして、ある人々はひたむきさや真面目さよりも狂気と奇癖を真似ようとする
- 自分の中に電流を起こす何かがなければ、たとえどんなインスピレーションや刺激を受けても電球をともすことはできない
- どんなに取るに足らない小さなアイデアも、どんなに偉大ですばらしいアイデアも、実は構造が似ています。つまり、小さなアイデアも偉大であり、偉大なアイデアも小さな部分の集合体だというわけです
- すべての料理はアイデア 果物の味はアイデアではありませんが、それを食べてみようと思うことはアイデアであり、それを「おいしい」、「おいしくない」と感じることもアイデア
- 「火」はアイデアではありません。自然現象です。でも、「火を使おう」というのはアイデア
- 固定観念はアイデアにとって最大の障害物
- ガンディーを先頭にインド人が繰り広げた戦争は、アイデアの戦争
- ガンディーは非暴力・不服従というアイデアを持っていて、それに向かって進んでいくさまざまなアイデアを絶えず実行
- きらめくアイデアの種があなたの中に入ってくるたびに、あなたのアイデアは柔軟になっていくのです。 それはヨガにも似ていて、柔軟性を維持するには絶えず続けることが大事です。創造力は硬直性とはあまり親和性がないからです。
- 今まで話したことを一度整理してみましょうか。 一つ、創造性は少数者の専有物ではない。 二つ、アイデアを見つけて自分の中に取り入れよう。 三つ、日常の小さなアイデアも輝きを放つ。 四つ、感覚もアイデアだ。 五つ、巨大な精神的体系も結局はアイデアの産物だ。 六つ、芸術もまた大小さまざまなアイデアでできていて、それは私たちの感じ方次第だ。 七つ、アイデアは壁を乗り越えること