本書は、芸術家としての激しい情熱と生き方を語ったエッセイ集です。「常識にとらわれるな」「自分の中の“毒”を恐れるな」といったメッセージを通じて、読者に本能的で力強い自己表現の大切さを訴えます。挑戦を恐れず、自分らしく生きる勇気を与えてくれる一冊です。
- 人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
- 人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それには心身とも無一物、無条件でなければならない。捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。
- 自分に忠実に生きたいなんて考えるのは、むしろいけない。そんな生き方は安易で、甘えがある。ほんとうに生きていくためには自分自身と闘わなければ駄目
- 結果が思うようにいかなくたっていい。結果が悪くても、自分は筋を貫いたんだと思えば、これほど爽やかなことはない。 人生というのはそういうきびしさをもって生きるからこそ面白いんだ。
- 日本という国では、オリジナリティーを持つことが許されない。積極的に生きようと思っても、まわり中から足を引っ張られる。
- 自分はどのくらいの能力があり、どのくらいのことをすべき器であるかということを見極めようとしないで、つまり、自分のことが自分でわからないのに、勝手に自分はダメだと見切り、安全な道をとってしまう。
- 失敗したっていいじゃないか。不成功を恐れてはいけない。人間の大部分の人々が成功しないのがふつうなんだ。パーセンテージの問題でいえば、その九九%以上が成功していないだろう。
- 挑戦した上での不成功者と、挑戦を避けたままの不成功者とではまったく天地のへだたりがある。挑戦した不成功者には、再挑戦者としての新しい輝きが約束されるだろうが、挑戦を避けたままでオリてしまったやつには新しい人生などはない。ただただ成り行きにまかせてむなしい生涯を送るにちがいないだろう。
- それに、人間にとって成功とはいったい何だろう。結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
- 危険だ、という道は必ず、自分の行きたい道なのだ。ほんとうはそっちに進みたいんだ。
- 人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まなければならない。いのちを賭けて運命と対決するのだ。そのとき、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。
- ぼくはそういう駄目人間、不安で、迷って、自信がない、何をしたらいいのか、てんでわからないあなたに提案する。 自分はそういう人間だ。駄目なんだ、と平気で、ストレートに認めること。
- “いずれ〟なんていうヤツに、ほんとうの将来はありっこない
- 大切なのは、他に対してプライドを持つことでなく、自分自身に対してプライドを持つことなんだ。
- 他に対して、プライドを見せるということは、他人に基準を置いて自分を考えていることだ。そんなものは本物のプライドじゃない。たとえ、他人にバカにされようが、けなされようが、笑われようが、自分がほんとうに生きている手ごたえを持つことが、プライドなんだ。
- ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに〝歓喜〟という言葉を使う。
- ぼくはかつて、「出る釘になれ」と発言したことがある。誰でもが、あえて出る釘になる決意をしなければ、時代はひらかれない。
- 『今日の芸術』という著書の中で、芸術の三原則として、次の三つの条件をあげた。 芸術はきれいであってはいけない。うまくあってはいけない。心地よくあってはいけない。それが根本原則
- 芸術の場合、「きれい」と「美」とは厳格に区別しなければならない。「あら、きれいねえ」と言われるような絵は、相対的価値しか持っていない。
- ぼくがここで問題にしたいのは、人類全体が残るか滅びるかという漠とした遠い想定よりも、今現時点で、人間の一人ひとりはいったいほんとうに生きているだろうかということだ。


認知症専門医として毎月1,000人の患者さんを外来診療する長谷川嘉哉。長年の経験と知識、最新の研究結果を元にした「認知症予防」のレポートPDFを無料で差し上げています。