拙書『ボケ日和』ですが、多くの方に手にとっていただき、2021年8月現在、7刷りです。増刷自体が難しい時代に、このような好評をいただき感謝です。そんな『ボケ日和』の著者として、2021年8月18日、文化放送の大竹まこと ゴールデンラジオ!の「大竹メインディッシュ」のコーナーに、生出演させていただきました。コマーシャルなしの25分で、しっかりお話をさせていただける機会を頂きました。今回の記事では、当日の模様についてご紹介させていただきます。
目次
1.大竹まことさんの魅力が凄かった!
当日は、大竹まことさんの魅力に圧倒されてしまいました。担当者には、「大竹さんは、台本もあってないようなものですから、気にしないでください」と言われ、かえって緊張していました。しかし放送前には、とても丁寧にあいさつを頂き、72歳に見えないスタイルもよい素敵な方でした。
実際、放送が始まると、大竹さんの態度に驚きです。面白おかしく、番組を進行されるのかと予想していたのですが、全く違いました。真剣なまなざしで、自分をしっかり見てお話をされます。左手に大竹さん、右手に壇蜜さんという配置でありながら、8割以上は大竹さんを見ていました。
この番組は、毎週月曜日から金曜日の13時から15時30分までの、看板番組です。そんな番組を、2007年5月7日から継続されている大竹さんの魅力を再認識させていただきました。
2.大竹さんは一般視聴者の代弁者
今年、72歳になる大竹さんは、それほど認知症や介護については経験はないようでした。そのため、質問内容は、一般のリスナーの代弁であったと感じました。大竹さんは、以下の点に驚かれていたようでした。
2-1.7人に2人は「早期認知症もしくは認知症」
大竹さん自身も、勉強されていたようで、認知症の患者数が増えていることはご理解されていました。しかし、65歳以上の、7人に1人が早期認知症、7人に1人は認知症。あわせて、7人に2人が、「早期認知症もしくは認知症」と言い換えると、少し動揺されていました。打ち合わせの際には、最近運転に自信がなくなり、そろそろ免許返納を考えているとも言われていました。
2-2.介護にお金がかかる
大竹さん自身は、月額6万5000円の国民年金の受給を受けているようです。「自分の年金は、電気代に消える」程度とのことでした。施設に入所すると、東京圏なら月額30万円は珍しくないことを伝えると、相当驚かれていました。「国は、この現状を国民に伝えているのか・・」とまで言われていました。その点、壇蜜さんは、「月額30万の費用がかかる施設の広告が新聞等にはいっていますね」と冷静にお話しされていました。
2-3.被害妄想も認知症の一つ
被害妄想が、認知症の症状が進行したうえで起こる症状であることは、ご存じないようでした。しかし、これはやむを得ないと思います。ボケ日和を読んで、「幻覚や妄想が、認知症が進行したうえでおこる症状であることが分かっただけでも、この本の価値がある」と言われた方もいらっしゃいました。もちろん、これらの症状が、ブレーキ系のメマリーでコントロールできることも、伝えさえていただきました。
3.もっと伝えたかった事
番組の最後には、大竹さんから「聞きたりなかった」とまで、言っていただきました。ぜひ、大竹さんを含めた多くの方には、以下のことも伝えたいと思いました。
3-1.介護者目線
介護者さんの幸せがなくては、要介護者さんの幸せもありません。自らが認知症になったときに、残された家族に過大な負担をかけたいでしょうか? 介護は、「ほどほどでいい」です。
3-2.看られるところまで在宅
介護は、誰かが全人生をかけるためのものではありません。「認知症介護は、看られるところまで看る。同時に介護サービスを積極的に利用。最後は、施設入所も検討し、家族にしかできないことをする」。そんなことが、ごく普通になればよいと思います。私自身は、在宅介護で多くの家族に負担を与えてしまうなら、施設入所もやむを得ないと考えています。
3-3.認知症の最期
認知症の最後について書かれた本は、あまりないようです。認知症は永遠に続くものではありません。当たり前ですが、徐々に認知症の症状よりも、全身状態の悪化が中心となります。そうなると、口からの食事量が徐々に減って、人生の終幕を迎えるのです。この段階で、病院の言われるままに、胃ろうを作ってしまい、途方に暮れている家族もいます。認知症患者さんの終焉の正しい対応法を知っていれば、何も恐れることはありません。
4.壇蜜さんに会うことは、バケットリストの一つだった
自分は、芸能人などには、ほとんど関心はありませんし、ファンであることもありません。唯一、会ってみたいと思っていたのが、壇蜜さんです。彼女の容貌はもちろん、声が好きです。それ以上に、物事の見方が独特であり、とても勉強になります。ということで、自分は、死ぬまでにしたい100個のバケットリストに、「壇蜜さんに会う」を入れていました。今回、大竹さんの番組の水曜日のパートナーが壇蜜さんであったため、無事にかなってしまいました。わが著書、『ボケ日和』に感謝です。
*バケットリスト:「死ぬまでにしたい100のこと」を書き留めるノート。bucketとは英語で「バケツ」を意味する。「kick the bucket」とは、「首をつるときに台にしたバケツをけとばす」から「死ぬ」を意味。
5.死ぬまで働くことが認知症予防とは
「認知症にならないようにするにはどうすればよいか?」を聞かれました。自分は、仕事を続けることが、最大の認知症予防につながりますとお伝えしました。大竹さん自身、とても納得いただけたようです。きっと、さらなる長寿番組になると思います。
余談ですが待合室に、大竹さんと斉木しげるさんがメンバーであるコントユニット「シティボーイズ」のきたろうさんがいらしいました。きたろうさんも、大竹さんと同じ72歳だそうです。これからの時代は、年齢関係なく皆が働き続ける時代が来たようです。
当日の模様は、以下のポッドキャストで聴取可能です。
Amazon Musicで大竹まこと ゴールデンラジオ!「大竹メインディッシュ」