先日、映画化も決まった“神様のカルテby夏川草介”を読みました。
信州大学を卒業して、地域医療に従事している5年目の医師が、小学館の文庫小説賞を受賞した作品です。
現在の、地方の病院の労働状況の過酷さが描かれています。
実際36万部を突破するヒットとなっており、今後、映画の封切りに伴って、もっと売れると思いました。
正直、23年目の医師の立場からすると、5年目の医師の視点で描いた作品がこれだけ社会に浸透してしまうのは少し危険かと感じました。
自身で振り返っても、医師になって5年目は、“何でもできる”と錯覚してしまう時期です。
その後、何度も失敗して、怖い事も一通り経験するには、やはり10年はかかるのではないでしょうか?
5年目の先生には、目先の地域医療に従事するだけでなく、高度な医療も勉強してもらいたいと思います。
論文を書く事も、医師としての長い経験の中では必ず役に立ちます。
しかし、そんなことより、この本で根底に流れる感動は、主人公と同期2人との友情です。
学生時代からの同級生が、医師になっても互いに迷いながらも成長していく姿には、感動しました。
私自身も、学生時代から現在に至るまで、日々迷いながらも、現状でのベストの医療を心がけています。
幸い、現在は、大学時代からの同期橋本先生と一緒です。
名簿順も、橋本の次が長谷川で前後でした。
“神様のカルテ”の主人公に負けない友情が、現在も毎日続いているのです。
そんな橋本先生には心より感謝しています。