平成26年2月23日筋ジストロフィーの患者さんで、介護用品開発販売会社ハンディネットワーク インターナショナル社長の春山満(はるやま・みつる)さんが呼吸不全で死去されました。春山さんには、平成23年1月22日、私が会長を務めるNPO法人PAL研究会主催で “右手にロマン、左手にソロバン”の演題で講演会をお願いしました。
春山さんは、筋ジストロフィーにより首より下の筋肉はまったく動かすことができません。しかし講演に先立ち、春山さんはハッキリと言われました。「私自身は、障害を逆手に取った気持ちもないし、今の環境でいかに生きていくかを懸命に考えているだけです。難病にならなかった人生は考えられない」
皆さん、手足が動かないということが何を意味するか想像できますか?春山さんはメモを取ることができません、そのため記憶力を高めなければ生きて行けないのです。メモが取れない緊張感から独特の反復練習を心がけられているそうです。講演中も、意識して話された内容を繰り返される手法には感心しました。また辞書も引くことができなくなってから英語力が格段に向上されたようです。本当に、「人間は可能性の塊」だと感じました。
講演の最後には、演題名の“右手にロマン、左手にソロバン”に“人生はニコニコ顔で、命がけ”を付け加えて講演を終了されました。再度講演いただいた内容を反復するとともにご冥福をお祈りします。