糖尿病専門外来では、多くの患者さんに管理栄養士さんの指導を受けてもらっています。そうすると、患者さん独自に考案した方法が、思いのほか血糖を下げることにつながることがあります。そんな中の一つが、「そば」です。先日も、「主食をそばにしたら、体重が減った」という患者さんがいました。
調べてみると、ご飯であれば、茶碗一杯(150g)で53.4gの糖質量です。対して、同じ1人前150gとするとそばで30.9g、うどんで37.6gとなり、そばがもっとも糖質が少なくなります。確かに、食事の際の主食をそばに変えれば、糖質を減らすことができそうです。
その上、そばは、「血糖値の上がりやすさを数値化したGI値」が54。うどんの85、白米の88よりも低いのです。そのため、血糖値の上昇も穏やかになると考えられます。これならば、主食をそばにすると体重減少や血糖値の改善の理由も理解できます。
だからと言ってそばをたくさん食べれば、糖質もカロリーも上がってしまい意味がありません。また、空腹でいきなりそばを食べても血糖が上がりやすくなります。少し他のおかずを食べてから、締めでそばを食べることがお勧めです。ただし、何よりも、どこまで継続できるかも少し不安です。