歯科医が喫煙とは!?絶対にやめてほしい5つの理由【医師が警鐘】

歯科医が喫煙とは!?絶対にやめてほしい5つの理由【医師が警鐘】
2020-02-11

先日、歯科医の先生とお話をしていると、歯科医師会などで喫煙が問題となっていることを知りました。「歯科医は煙草を吸わない」と勝手に信じていたのでショックでした。歯科医は日々、口腔内を診ることで喫煙の悪影響を知っているはずです。それでも、自身が喫煙をする?

現在は、口腔内環境が命に係わる疾患すべてに影響することが分かっています。そのため、今後は医科歯科連携が重要になります。そんな時代に、歯科医の喫煙はあり得ません。今回の記事では、歯科医の先生にこそ喫煙をやめてほしい5つの理由についてご紹介します。

1.歯科医の喫煙率は一般人より高く4人に1人も!

Working taking a break to smoke a cigarette
医師よりも歯科医の方が喫煙率が高いようようです

現在、日本の喫煙率はどの程度なのでしょうか?

1-1.50年間で喫煙率は激減

厚生労働省の国民健康栄養調査によると、日本人の喫煙率は、平成19年が24.1%でしたが、平成29年には17.7%になり20%を切っています。男女別では、男性が平成19年が39.4%、平成29年が29.4%。女性が平成19年が11.0%、平成29年が7.2%と確実に減少しています。

昔の映画を観ていると、慌ただしいほどに煙草を吸っています。数字的にみても昭和41年がピーク時で喫煙率は83.7%。この約50年間で約66%減少しているのです。

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図版出典:国立がん研究センターがん情報サービス

1-2.医師の喫煙率は一般以下

お恥ずかしい話ですが、医師(内科、小児科等)の中にも喫煙される人はいます。日本医師会が4年ごとに行っている医師の喫煙率では、2000年時点では高い喫煙率(男性27.1%、女性6.8%)でしたが、2016年には男性10.9%,女性2.4%と低下しています。当たり前ですが、男女とも、国民の平均喫煙率よりは低いようです。

1-3.歯科医の喫煙率は一般以上

歯科医の喫煙率については、奈良女子大学の高橋裕子さんの2020年の報告によると、日本歯科医師会員の喫煙率は、男性25%、女性3%と出ています。特に男性については、国民の平均喫煙率よりも高いのです。確かに、某歯科医師会の旅行中は、皆が平然と煙草を吸っているとの話を聞きます。まんざら嘘ではない話の様です。

2.喫煙が及ぼす歯科領域への影響

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喫煙はさまざまな悪影響を口腔内はもとより全身に及ぼします

喫煙は、癌や循環器疾患だけでなく歯科領域へも悪影響を及ぼします。

2-1.歯周病になりやすい

喫煙者は、歯周病(歯槽膿漏)になりやすく、悪化しやすい特徴があります。その上、治療しても治りにくいことが分かっています。そのため、厳しい歯科医の先生は、「喫煙者の歯周病の治療は、禁煙するまで行わない!」と言われます。

統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇します。

2-2.虫歯になりやすい

喫煙をすると、以下の理由で虫歯になりやすくなります。

  • 唾液の量が減り、唾液の歯を守る作用が働きにくくなる。
  • 口腔内の抵抗力が下がり、環境が悪化しやすく、治りにくくなる。
  • ヤニが付くと、そこにプラーク(歯垢)が溜まりやすくなる。
  • 歯周病が進行し、歯肉が下がり、汚れがたまりやすい。

その結果、喫煙者は、非喫煙者に比べ、3倍も虫歯になりやすいと報告されています。

2-3.直接的刺激も悪影響をもたらす

煙草に含まれる物質(ニコチン、タール、一酸化炭素等)が最初に触れるのが口腔内です。これらの直接的な刺激により舌癌、歯肉癌、口唇癌といった悪性腫瘍やカンジダなどの感染症が引き起こされるリスクが高まります。

3.医療従事者が喫煙することの問題とは

歯科医をはじめとする医療従事者の喫煙には、健康以外にも問題があります。

3-1.喫煙の宣伝広告?

医療従事者の喫煙は、いわゆる喫煙の宣伝広告になってしまいます。世間の人は、「医療従事者が吸うなら、自分も吸ってよい」と誤解したり、「医療従事者が喫煙できないなら、自分は絶対無理」と諦めてしまいます。

3-2.患者さんへの誤った指導

どんなに優秀な医療従事者も、自身が喫煙していると、喫煙のリスクを否定したり、過小評価する傾向が出てきます。時に、「禁煙のストレスも身体に悪い」などと、間違った発言まで飛び出すことがあります。

3-3.医療従事者自身の人生観が問われる

喫煙をする医療従事者の生活習慣を詳細に調べると、同時に「飲酒頻度が多い」、「運動習慣がない」、「幸福度が低い」といった特徴があります。せっかく努力して医師や歯科医になったのです。あえて不健康な生活をして不幸になっていくことは避けたいものです。

4.喫煙する歯科医との医科歯科連携はあり得ない?

これからは、今までにないほどに医科歯科連携が進んでいくと思われます。

4-1.喫煙する歯科医を紹介はできない

そもそも喫煙をしている歯科医がきちんと日々勉強しているとは思えません。仮に勉強していても喫煙しているようでは、学びを行動に移せないことを証明しているようなものです。医科歯科連携を行う場合に、喫煙するような歯科医を患者さんに紹介することはできません。

4-2.スタッフの信頼を得られるか?

医科歯科連携の中心は口腔ケアです。その口腔ケアを担うのが歯科衛生士さんです。口腔内環境の重要性を熟している歯科衛生士さんが、喫煙する歯科医の元に集まるでしょうか? 歯科衛生士さんが集まらない喫煙する歯科医とは、医科歯科連携はできません。

4-3.前頭葉機能が低下?

前頭葉機能が低下すると、論理的思考が難しくなり、理性がコントロールできなくなります。歯科医でありながら、喫煙が止められない人は、実は前頭葉機能が低下しているのかもしれません。そんな歯科医とは、もちろん医科歯科連携はできません。

5.根性だけでは禁煙できない?

実は、喫煙をしている歯科医の多くの方は、身体や口腔内に悪いことは知っています。でもやめられないのです。多くの方が禁煙に挑戦しても失敗することには、それなりの理由があります。ただやみくもに根性だけで挑戦しても、武器も持たずに戦うようなものです。

喫煙は習慣性が高いため、自力で禁煙に成功する確率は20%しかないのです。喫煙を止めたいけど止められないというのは、単に自分の意志が弱いというわけでなく、『ニコチンへの依存症』という病気なのです。

最近の禁煙治療経口補助薬「チャンピックス」を使用した患者の禁煙成功率は55.5%、ニコチンパッチを使用した患者の禁煙成功率は22.2%と言われていますので、禁煙外来の主流はチャンピックスになっています。自力で難しい方やなんども失敗している方は禁煙外来に来られることもお勧めです。詳しくは以下の記事も参考になさってください。

6.まとめ

  • 医療従事者の喫煙率は、医師は一般より少ないが、歯科医は一般より多いのです。
  • 喫煙は、口腔内環境に多大な悪影響を及ぼします。
  • 医科歯科連携が叫ばれる中、喫煙をする歯科医とは連携はできません。
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