花粉症の医師が伝授!コロナ禍のなか病院受診せずに自宅で改善するとっておきの方法

花粉症の医師が伝授!コロナ禍のなか病院受診せずに自宅で改善するとっておきの方法

毎年、スギやヒノキなどの花粉による花粉症(アレルギー性鼻炎)に苦しんでいる方がたくさんいらしゃるのではないでしょうか? 花粉は、2月頃から飛びはじめます。そのために、一足早い対処も必要です。しかし、コロナ禍の中、できれば花粉症(アレルギー性鼻炎)ぐらいでは医療機関には受診したくないものです。以前は医療機関でしか処方できなかった薬が、最近では市販での購入も可能になってきています。そこで、今回の記事では認定内科専門医の長谷川嘉哉が、処方箋なしで購入できる薬を使った、花粉症(アレルギー性鼻炎)の乗り切り方をご紹介します。(今回の記事でご紹介するお薬のリンクはいずれもAmazon広告によるものです)

1.受診と購入どちらがお得?

花粉症(アレルギー性鼻炎)については、以前は医療機関に受診しないと処方してもらえなかった薬が、薬局で直接購入が可能です。ならば、費用的にはどちらが得でしょうか? 抗アレルギー性鼻炎薬であるアレグラ60㎎を1日2錠14日分処方した場合で検討しましょう。

1-1.医療機関を受診した場合

医療機関を受診するには、初診であれば初診料、再診であれば再診料がかかります。令和2年3月現在、初診料は2820円。これに、院外処方の場合、「処方せん料」が1回あたり680円かかります。これらの合計が医療機関で薬を処方してもらうための費用で、合計3500円。70歳未満の人は、3割負担で1050円が自己負担額になります。

医療機関でもらった処方せんをもって向かった調剤薬局でかかる費用は、薬局の規模、薬の内容や量によって異なります。しかし、街中にある一般的な薬局で、アレグラ錠(60㎎)を28錠調剤してもらった場合、調剤基本料が590円、調剤料210円、薬学管理料380円、薬剤料1607円(1錠57.4×28錠)で合計2787円。70歳未満の人の自己負担額は836円になります。

つまり、医療機関にかかれば、70歳未満の人は、1050円+836円=1886円の負担になります。

1-2.薬局で購入すると

アレグラについては、アマゾン等で検索すると、28錠の参考価格は2037円になっています。つまり、医療機関に受診すると1886円、薬局で購入すると2037円と若干医療機関の方がお得となります。

1-3.実態は、薬局購入がお勧め?

実は、経済的な比較は難しいものです。医療機関も2回目になれば初診料でなく再診になるので費用負担は軽くなります。一方、薬局での販売は参考価格よりも安いことが多いです。実売では、アレグラ28錠が1556円(令和2年3月)で売られてもいます。つまり厳格にどちらが安いという比較は難しいのですが、その差はあってもわずかです。

ならば医療機関に受診する手間、待ち時間、待合室での感染のリスクなどを考えると、病院と同じ薬がスイッチOTCになっていれば、薬局での購入がお勧めといえるでしょう。

スイッチOTC:元来医療用医薬品として使われていた成分の有効性や安全性などに問題がないと判断され、薬局で店頭販売できる一般用医薬品に転換(スイッチ)されたもの。

Close up shot pharmacist holding nasal spray medicine and capsule pack
薬局で購入できる薬のなかには、処方薬と全く同じものが少なくありません

2.市販で購入が可能な抗ヒスタミン薬

一般的に使われる内服薬は抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬です。くしゃみ、鼻水が主症状の場合は抗ヒスタミン薬で対応が可能です。抗ヒスタミン薬については、薬局(ドラッグストア)でも買うことができます。

2-1.花粉症薬の効き目にほとんど差はない

よく外来でも、「一番効く薬をください」と言われることがあります。しかし、抗ヒスタミン薬には種類があり、それぞれ理論上の細かな差はありますが、得られる効き目に大きな差はありません。インターネット上でよく見る、薬の効果や副作用を比較する「マッピング図」も科学的な根拠はありません。

但し、個人差があります。患者さんによっては、A薬よりB薬が効き、一方の患者さんにはB薬よりA薬が聴くことがあります。何種類か試して、自分に効果的なものを選ぶことをお勧めしまます。

また、現在の抗ヒスタミン薬は副作用としての眠気はいずれも出にくくなっています。しかし、これにも個人差があります。眠気が出れば、別の薬を試されることをお勧めします。

2-2.薬の効果よりも、早めの服薬を

薬の効果の差よりも、正しく飲めているかを気にする方が重要です。たとえば、花粉が飛び始めた頃から薬を飲んでいるか、症状が酷くなってから薬を飲み始めたかによって、体感できる効果は大きく異なります。

2-3.1日1回服薬タイプがおすすめ

ここでは、1日1回服薬の抗ヒスタミン薬をお勧めします。外来でも相当処方しましたがいずれも効果があり、副作用も少ないです。(だからOTCとして市販されているのですが・・)


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  • アレジオン20:第2世代抗ヒスタミン成分のエピナスチン塩酸塩を1錠あたり20mg含有。1日1回就寝前に服用します。
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【第2類医薬品】アレジオン20 24錠 ※セルフメディケーション税制対象商品(Amazon紹介ページ
  • エバステル:第2世代抗ヒスタミン成分のエバスチンを1錠あたり5㎎含有。1日1回就寝前に服用します。
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2-4.起きている間だけ効けばいい方には1日2回服薬タイプも

ここでは、1日2回服薬の抗ヒスタミン薬をお勧めします。患者さんの中には、なぜか1日1回では効くような気がしないので1日2回を希望される方がいます。中には、1日2回の薬を1日1回でも十分という患者さんもいます。

  • アレグラ:第2世代抗ヒスタミン成分 フェキソフェナジン塩酸塩が、1錠に60㎎含まれます。1回1錠、1日2回朝夕に服用してください。
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3.漢方の小青竜湯もおすすめ

薬を飲むのには抵抗がある方、もしくは内服薬だけでは不十分な場合は、漢方の小青竜湯がお勧めです。私個人としても、季節になると小青竜湯を毎日服用して、ひどくなると先ほど紹介した抗ヒスタミン薬を服用するようにしています。これで、アレルギー性鼻炎はほぼコントロールできています。

小青竜湯:漢方を薬局で購入する場合、医療用並を期待するなら「満量処方」の漢方薬を選んでください。

*満了処方:市販されている漢方薬は商品によって配合量が異なります。医療用と同じ量を配合しているものは「満量処方」と呼ばれるます。市販の漢方薬は「75%量」や「50%量」など、配合量が少ない目のものが多いのです。

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5.内服薬以外でのお勧め

内服薬以外での、お勧めの方法をご紹介します。

5-1.点鼻薬

点鼻薬にもいろいろ種類があります。どれも一緒だと思って、適当に使っていても効果はありません。点鼻薬でお勧めなものは、ステロイドが含まれているものです。ステロイドというと副作用を心配されるかもしれませんが、点鼻ではステロイドの副作用の心配はいりません。市販薬で、ステロイドが含まれるものとしては以下がお勧めです。

  • コールタイジン点鼻液a 15mL
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【指定第2類医薬品】コールタイジン点鼻液a 15mL(Amazon紹介ページ

5-2.鼻に塗ってガード

オーソドックスですが、花粉症の時期にはマスクが有効です。ただし、仕事などでマスクが使用できない場合もあります。そんな時には、鼻の中に軟膏を塗るものが結構効果的です。私が愛用しているものをご紹介します。

  • アレルシャット 花粉鼻でブロック 

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5.医療機関受診がお勧めなケースは

今までご紹介してきた内服薬を飲み、適宜漢方も加え、点鼻薬や鼻ガードも使っても症状が改善しない場合は、医療機関を受診をしてください。

特に鼻づまりが中心で抗ヒスタミン薬が効果なければ、医療機関では、抗ロイコトリエン薬を処方します。残念ながら、抗ロイコトリエン薬は市販されていません。

6.とっておきのロキソニン

ここでとっておきの花粉症(アレルギー性鼻炎)に対する対策をご紹介します。ただし、これは医療的に認められていませんので、あくまで自己責任でお願いします。それは、消炎鎮痛剤であるロキソニンを使用することです。突然鼻水が出てきた。しかし、人前に出なければいけない。そんな時にロキソニン60㎎を1錠飲んでみてください。30分もすると不思議と鼻水、鼻づまりがすっきりします。これは、アレルギー性鼻炎による鼻腔の炎症を取り除くことで症状が楽になるのです。裏ワザとしてお勧めですが、しつこいようですが自己責任でお願いします。

  • ロキソニンSプレミアム

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7.まとめ

  • 花粉症(アレルギー性鼻炎)に対しては、医療機関を受診しなくても効果的な薬を手に入れることは可能です。
  • 費用面についても、最近では医療機関受診の方が安いわけではありません。
  • どの薬を処方するか以上に、症状がひどくなる前の服用が大事です。
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