「我々は、学生時代から医師になってからも
一度たりとも診断書の書き方を学んだことはありません!」
保険販売員向けの講演の初めに
この言葉を投げかけると
一様に驚かれます。
何しろ保険販売員の多くは、
「この書類は、医師が記載されたものです。
書かれた内容通りの対応をするしかありません。
修正はできません。」と言われます。
しかし、それだけ重要視される診断書に対する知識を、
ほとんどの医師は持ち合わせていないのです。
特に最近では、直接書類を医師に渡せない病院も増えていますので
書類の意図を伝えることもままなりません。
実は私も入院した時に
所得補償の書類を書いてもらいました。
所得補償とは、入院期間でなく
働けなかった期間を証明してもらう必要があります。
しかし、医師のカルテでは入院期間は分かりますが、
働けなかった期間は分かりません。
その点を理解していない医師にこの書類を渡すと
平気で入院期間を書いてきます。
そうすると、保険営業マンは
“退院後は働けた”と判断するのです。
記載した医師は、深く考えずに記載したにも関わらず・・
幸い、私の場合は主治医が後輩であったため
退院した数日も働けなかった期間に
組み込んでもらうことができました。
講演の最後には以下のように付け加えます。
「皆さんは保険のプロです。
プロとして医師に対して意見してください。
嘘は書けませんが、書き方によって
患者さんが助かるのであれば、
多くの医師は協力します!」
ただし、時に融通が効かない
医師がいるから困ったものなんですが・・