先日、DVDで『聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実』を見ました。
山本五十六は、1884年(明治17年)新潟県長岡市で、六男として生まれたそうです。
名前の由来は、その時の父親の年齢から「五十六」と名付けられたそうです(母親も45歳)。
今の時代からしても、凄い!
1919年(大正8年)4月5日にアメリカに駐在、ハーバード大学にも留学。
米国の油田や自動車産業、飛行機産業に強い印象を受けたようです。
映画の中でも、軍の上層部は語学も相当堪能であったようで、当時の軍には相当優秀な人材が集まっていたようです。
外国をよく知る、山本五十六は最後まで、日独伊三国軍事同盟の締結に対し、最後まで反対していたようです。
日本がドイツと手を組めばアメリカとの戦争は避けられず、十倍の国力を持つ国と戦えば、この国は滅びる……。
彼らの命を賭した反対で、三国同盟問題は立ち消えとなるのですが、欧州でドイツの快進撃が始まり、同盟締結の声は再び沸騰する。
1940年(昭和15年)9月、ついに三国同盟は締結され、そして一年後、山本五十六は、最も戦争に反対しながら開戦の口火を切ることになります。
個人としては反対でも、軍人として命令には従う。
これが当時の、常識であったようです。
個人としてはアメリカとの戦争に反対でも、国が動き出すと誰も止められない点が印象的でした。
この点は現在の日本でも同じではないでしょうか?
国が、これだけの国債を発行し続けて、いずれ銀行が引き受けることができなくなることがわかっていても、誰も止めることができない。
後で振り返れば、きっと不思議に感じるのでしょう。
映画の中で、山本五十六演じる役所広司が“日本人は忘れることが得意な人種”と語っています。
過去の、1980年代後半からのバブル崩壊をすっかり忘れて、まさに“国債バブル”の真っ只中の日本人。
やはりいったんリセットの方向に向かうしかないのかもしれません。
映画では、戦闘の場面は意外なほど少ないです。
つまり、本作の本意は、激戦の模様を再現することではなく、誰よりも開戦に反対しながら、陣頭指揮を取る司令長官にならざるをえなかった軍人の苦悩と、それでも失わなかった温かい人間性を描くこと。
多くの示唆を与えてくれる映画です。
お勧めします。