【おすすめ書籍】ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

【おすすめ書籍】ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語

私は、落語が大好きです。NHK文化センターの落語入門に申し込みをして、受講料15,840円を支払ったほどです(結局、緊急の用事で一度も参加できませんでしたが)。自粛、自粛で気持ち的も滅入っている方には、落語はいかがでしょうか? 落語の何たるかを知るためには、「ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語by立川談慶」はお勧めです。一部ご紹介します。

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  • 落語というのは、人の上に立つものにとって必要不可欠な、人の心をつかむ術を身につけるツールとなっているのです。
  • 師匠だった故・立川談志(七代目) は「落語とは人間の業の肯定だ」と看破しました。平たく言うと、「人間とは所詮〝どうしようもないもの〟なのだ」という意味です。そんな彼の主張を裏付けるかのように、落語には〝どうしようもない人〟ばかりが登場します。
  • 言うなれば「成功していない人」「ダメな人」「イケてない人」のオンパレードなのです。そして、落語の筋書きの多くは、失敗談ばかりです。その様相は「失敗図鑑」と呼んでもよいでしょう。
  • このエピソードのように、落語には「人をほめて気持ちよくさせる」話がよく登場します。落語をきいている人が「気のきいた返しをとっさに言える」のは、これらの話が身に染みついているから
  • 極論すると、江戸時代とは「死と隣り合わせのストレスフルな時代」だったと言えるでしょう。 そのような時代背景があるわけですから、反動として「宵越しの銭は持たない(その日に得た収入は、当日中に使い果たす)」という刹那的な気性になる庶民も多かったのではないでしょうか。 つまり、過酷な環境下で生き抜くために、少しでも楽しく笑いながら過ごすために、落語という娯楽が広く庶民に求められ、愛されたというわけなのです。
  • 落語の枕は、おおよそ次の四つに分類することができます。これはプレゼンやスピーチにも使えるので知っておいて損はありません。 ①「本題」のバックボーンである時代背景などを解説する(昔の慣習や言葉を「本題」で初めて聞かされても、理解が難しいことがあるため) ②お客さんの反応を探る(どのようなネタ、どのような本編のアレンジがウケるか、落語家がリサーチできる) ③「オチ」への伏線を張る(噺の最後のオチで「枕で聞いたあのエピソードは、オチへの伏線だったのか」と気づいてもらえると、感動や笑いが増幅する) ④「オチ」とは逆の伏線を張る(「オチとは真逆のメッセージ」を逆算して「枕」で伝える手法も有効。たとえば、親子の情愛がテーマの本題の場合、「親なんかいらない」というエピソードを枕でしておく。
  • 歌舞伎と落語を、音楽にたとえると、次のような図式に当てはめることができます。 「落語はジャズ、歌舞伎はクラシック」
  • 歌舞伎役者で人間国宝に認定された方は、昭和30年から数えると、25名を超えます。それにひきかえ、落語家で人間国宝に認定されたのは、わずか3名しかいません(いずれも故人を含む)。
  • 「俺は、落語は人を殺さねえから好きだ」 また、談志は映画界の鬼才・北野武監督を高く評価しながらも、一方で「映画はなぜあんなに人を殺すのか」と不思議がってもいました。
  • また談志は「飢えと寒さが落語のベースである」とも看破しました。
  • 「落語の笑い」とは、「日本人が叡智をかけて積み上げてきた、国民共通の笑い」であります。誰にもぴったりハマる笑いだからこそ、江戸時代以降、約400年間も日本人を楽しませてきました。

落語を聞いてみたいと思った方には、以下もお勧めです。

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